Intelが考案したアドレッシング技術。Intelの誇る特許のひとつである。
1978(昭和53)年に発売された16ビットマイクロプロセッサの8086/8088を開発する際の課題は、従来の8ビットマイクロプロセッサである8080とプログラムソースの互換性を確保することだった。そこでアドレスのレジスタを8080と同じ16ビットとし、別にセグメントレジスタと呼ばれるものを用意してアドレス領域を拡張することにした。
8080と同等のアドレスをオフセット、8086で拡張されたアドレスをセグメントと呼び、seg:ofsのように表記する。実際のアドレスはseg×10h+ofsとなり、従来16ビットだったアドレスが20ビットに拡張され、夢のような大容量のメモリ(当時比)をアクセスすることができるようになった(64Kiバイト→1Miバイト)。しかし現在では1Miバイト程度のアドレスでは逆に制限にしかならない。
i386になり、ようやくこの制限は撤廃、32ビットでダイレクトにアドレスが指定可能となり、32ビットのプロテクトモードで動作しているときはセグメントという概念は廃されるようになった。しかしプロテクトモードは従来の動作モード(リアルモード)と互換性がない。従ってOSとアプリケーション双方が32ビットでないとならず、もしどちらかが16ビットであれば、やはりセグメントという制限はソフトウェアに対してのしかかる問題である。
例えば、A000:3FF8、A300:0FF8、A2BE:1418は、いずれもA3FF8番地を参照している。このように同じアドレスを示すのに何通りもの表記方法が生まれてしまうので、この点を指摘し、IntelのCPUはわかりにくいという人が数多く存在した。