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トンネル効果 |
辞書:科学用語の基礎知識 素粒子・用語編 (NPARTY) |
読み:トンネルこうか |
外語:tunneling |
品詞:名詞 |
量子論において説明される現象で、本来ならば通り抜けることができないはずの「壁」を、トンネルを通るかのようにくぐり抜けてしまう現象のこと。量子トンネル効果とも。
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概要 |
原子核は、核子(陽子や中性子)から構成される。特に、陽子2個と中性子2個の、いわゆるα粒子の状態が最も安定であるため、原子核はこのまとまり(αクラスター)で存在する。
このα粒子は原子核の電荷が作るクーロンポテンシャルという「壁」の中に閉じ込められていることから、古典力学的に考えれば原子核からα粒子が飛び出すためにはこれを上回るエネルギーをどこかから得なければ原子核から飛び出すことはない。しかし量子力学的には、そのようなエネルギーがなくともα粒子は原子核の外側に染み出し、ある確率でトンネルをくぐり抜けるかのようにポテンシャル障壁を透過し、原子核から飛び出すことができる。
ひとたび原子核から飛び出せば、次には双方が持つ電磁相互作用が働き、双方のプラスの電気により大きな斥力が発生し反発し合い、α粒子は大きな運動エネルギーを得て高速に外部へと飛び出すことになる。
これを概念的に説明すれば、満員電車の中で身動きの取れなかった人が、突如人ごみをすり抜けて外へ飛び出すようなものである。
特徴 |
例えば、電子の場合、絶縁膜や、陰イオンの壁といったものは、通り抜けられないはずである。しかし、電子などのごく小さな粒子(量子)は波の性質も持っている(波動と粒子の二重性)ため、こういった単純な粒子なら通過できない「壁」も、通り抜けられる。
また、原子核のα崩壊なども、通常なら強い相互作用(核力)によって強く結び付いているため起こらないはずだが、実際には起こる。
こういった現象は、トンネル効果によるものと説明される。
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