通信用語の基礎知識 全国のICカードこれひとつ 戻る

リシン
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・毒物編 (NSUBNP)
読み:リシン
外語:ricin
品詞:名詞

トウダイグサ科の植物である蓖麻(ヒマ、別名トウゴマ)の実から得られる蛋白質毒素。

目次
概要
基本情報
誘導体、関連物質の例

特になし。

性質

毒性は青酸の6000倍ともいわれるが、解毒剤はない。マウスにおける致死量は2.7mg/kg、ヒトにあっては1mg/kg以下といわれる。

これが注射されると内臓や器官に激しい出血を来たし、死に致る。リシンは体内で分解されるため証拠が残りづらい上、原料の蓖麻の実は世界中で入手でき、かつリシンの抽出もそれほど難しいことではない。このため、かつてはKGBが暗殺に用いていたとも言われている。

特徴

分子量約65,500の蛋白質である。

この蛋白は分子量約32,000の中性のA鎖(RTA)と、分子量約34,000の塩基性のB鎖(RTB)がジスルフィド結合(‐S‐S‐)で結ばれている。それぞれが生体内で異なる働きをするが、全体として、リシンの作用機序は蛋白質の合成阻害である。他の一般的な猛毒が神経末に作用し速効性であるのに対し、これは特徴的といえる。リシンは水中で煮沸すると失活するが、これはジスルフィド結合の切断のためと考えられる。

A鎖はN-グリコシダーゼ作用を持ち、蛋白質合成に必要な大サブユニットの28S rRNAのアデニン塩基をリボースから切断し、結果として蛋白質合成を阻害する。B鎖はガラクトース結合性レクチンで、エンドサイトーシスを誘導することでA鎖を細胞質内に引き入れる働きをする。結果として、細胞質での蛋白質合成を阻害し、細胞死を誘発させる働きを有する。

安全性
危険性
有害性
環境影響
リンク
用語の所属

関連する用語
蓖麻子油

[再検索] [戻る]


通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022)
Search System : Copyright © Mirai corporation
Dictionary : Copyright © WDIC Creators club
KisoDic