地球シミュレータ

読み:ちきゅうシミュレータ
外語:the earth simulator
品詞:固有名詞

地球シミュレータ計画の要となる並列ベクトル演算機(スーパーコンピュータ)。

目的

気象変化のシミュレートなどを目的に、海洋科学技術センター(JAMSTEC)と日本電気(NEC)が神奈川県横浜市金沢区の海洋科学技術センター横浜研究所内のシミュレータ棟(3250平方メートル、約50×64メートルの部屋)に建設したスーパーコンピュータである。

2002(平成14)年からの利用開始を目指してプロジェクトを開始、1998(平成10)年1月にNECが受注、2002(平成14)年3月8日にセンターへの本体納入完了、そして3月11日に運用開始が開始された。価格は400億円とされる。

基本情報

  • 開発年: 2002(平成14)年
  • メーカー: NEC
  • プロセッサ数: 5,120
  • LINPACK性能
    • 実効性能値(Rmax): 35.86TFLOPS
    • 理論ピーク値(Rpeak): 40.96TFLOPS
    • 最高性能行列サイズ(Nmax): 1075200

性能

実運用で達成した演算性能は35.86TFLOPSで、2002(平成14)年4月18日付けで世界最高速として登録され、当初の予定通り汎用機として世界最高のスペックを実現させた。

2004(平成16)年11月9日発表のTOP500でIBMのBlueGene/L、SGIのColumbiaに超されるまで2年以上世界一の演算性能を誇り、この2機種に超されてもなお暫くは世界第三位の演算性能を維持、日本のスパコン開発力を世界に知らしめた。

日本国内にあるスパコンでは、2006(平成18)年6月のTOP500で東工大のTSUBAMEに抜かれるまで、第一位を維持した。この時点での順位は世界第10位。

2007(平成19)年現在も、TOP500の世界20位を維持するが、性能比で、電気代等の運用費の負担が大きくなってきた。

このため、現在では電源は落とされているとされる。2007(平成19)年10月頃から後継機の検討が始まっており、2009(平成21)年度中に後継機を稼働させたいとしている。

構成

主な特徴として、次のものがある。

  • ベクトル計算機を一つのチップに入れ込んだこと
  • メモリにFPLRAMを使用したこと
  • 単段クロスバ・ネットワークで640個の計算ノード全てをダイレクトに接続すること

使用されるスーパーコンピュータは5,120台で、スーパーコンピュータ同士の接続に使われるケーブルの全長は3000kmに及ぶ。

各ノード

各計算ノードは8台のベクトルプロセッサ、16Giバイトの共有メモリ、リモート転送制御機構、入出力プロセッサ、磁気ディスクアレイから構成される。

1つのベクトルプロセッサのピーク性能は8GFLOPSで、システム全体では最大性能が40TFLOPS、主記憶容量が10Tiバイトとなる。

プロセッサ

プロセッサは0.15μmルールの銅配線プロセスで製造され、約6000万トランジスタが集積された。

OS環境

OSには、NEC製のベクトルスパコンSXシリーズ用に開発されたUNIXベースのOS「SUPER-UX」を、超大規模システム向けに強化・拡張したものを使用。

プログラム開発環境とし、自動ベクトル化・自動並列化を行なうFortran90/HPF/C/C++コンパイラなどが利用できる。

運用期間は2009(平成21)年3月迄になると、2007(平成19)年11月に報じられた。もし貰い手が無ければ、その後は廃棄されるという。

次期地球シミュレータの性能は倍以上、100TFLOPS程度を狙いたいとしている。但し海洋研究開発機構は方針を変え、独自開発機ではなく汎用製品に転換する予定としている。

またベクトル型にも限定せず、広く仕様の提案を募っているとされており、一部にはNECが2007(平成19)年10月25日に発表し来春に出荷予定のベクトル型スパコン「SX-9」が採用されるのではないか、とする声もある。