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ミノフスキー粒子
辞書:萌色用語の基礎知識 アニメ用語編 (OAYOGO)
読み:ミノフスキーりゅうし
外語:Minovsky particle
品詞:名詞

ロボットアニメ "機動戦士ガンダム" に登場する特殊な性質を持つ架空の素粒子で、一定濃度以上散布すると、レーダーなどを無効化できる。

元々はモビルスーツという有人ロボット兵器の存在を成立させるために用意された設定で、この粒子の効果でレーダーや長距離センサーが役に立たず、前時代的な有視界での近接戦闘が主流となり、近接格闘も可能な空間高機動兵器であるモビルスーツが戦術的に有効になるようにされた。これらの基本的なコンセプトは富野監督により用意されたもので、それをさらに物語の中で演出として生かすための細かな設定が主にスタジオぬえのメンバーにより作られた。但し公式にはスタジオぬえはガンダムのスタッフとして参加しておらず、脚本の松崎健一がスタジオぬえの初期メンバーの一人であったために、内輪的な形でスタジオぬえの面子に話が持ちかけられたという結果による。

また、ミノフスキー粒子の効能としてミノフスキー・クラフトという設定がさらに用意されている。これはミノフスキー粒子を使った飛行技術であり、これを利用すると戦艦のような巨大な物体をホバリング飛行させることが可能となる。これによりホワイトベースは非常にゆっくりとした速度で地球上を自在に飛行した。劇中では背面飛行(完全にひっくり返ったわけでは無さそうだが)まで披露されており、如何に重力や空力を無視することが可能かが示されている。

劇中では当然のようにこの粒子の特殊な性質に関する科学的説明などは行なわれていないが、設定を補完したスタジオぬえではいくつかの裏設定が用意されており、ミノフスキー・クラフトについてもつじつま合わせがなされていたらしい。さらに当の面子による同人誌およびその内容を元にしたムック本である "GUNDAM CENTURY" 上で、より科学的考察がなされた設定として "ミノフスキー物理学" が披露されており、後にこれらはガンダム世界の公式設定として広く採用されることとなった。但し物理学としてきちんと定義されたものではないため解釈や定義に曖昧な部分があり、書籍によって細かい記述が多少異なっている。

ミノフスキー粒子はミノフスキー博士が発見したためこの名があり、静止質量がほぼ0で、非透電性の物質の殆どを素通り可能な特殊な素粒子であり、正か負のいずれかに荷電して立方格子状のフィールドを形成する性質を持つ。このフィールドの荷電作用によりフィールド内を通過する長い波長の電磁波(電波および長赤外線)は伝達が阻害され、レーダーおよび赤外線センサーなどが無効化される。また各種の電子回路も誤動作を引き起こされるため、従来の誘導ミサイルや巡航ミサイルなども実用的な運用ができなくなった。これに対策するには対ミノフスキー措置が必要であり、モビルスーツでは全面的に光回路化がなされているとされる。

さらに、空間上に強力な立方格子フィールドを形成する性質を利用して、形成されたフィールドに対して斥力を持ったフィールド(I・フィールド)を形成することで浮遊を実現するというミノフスキー・クラフトが産み出された。なお、ここで使われているI・フィールドはさらにビーム(メガ粒子ビーム)バリアとして応用され、ビグザムなどに搭載されている。

ミノフスキー粒子は強力な磁場で封じ込み圧縮をかけると圧力エネルギーを吸収して見かけ上の質量が増加し、相転移直前では超結晶の性質を持つ結晶格子状態となる。この結晶格子に重水素ヘリウム3を注入すると負のミノフスキー粒子と結合し疑似原子となり、さらに疑似原子化した重水素とヘリウム3が結合した疑似分子が生まれ、核融合を起こしエネルギーを発生させる。これがガンダム世界で使われる核融合炉(熱核反応炉と記述する場合もある)であり、従来の核融合炉に比べ小型・高出力が実現されている。なお、重水素とヘリウム3の組み合わせによるD-He3反応は、他の核融合反応であるD-T反応やD-D反応と違い、中性子をほとんど発生しないため非常にクリーンな性質がある。また、この核融合炉が破壊された場合、磁場の崩壊と同時に超圧縮ミノフスキー粒子の結晶格子が消失してしまうため疑似分子が崩れてしまい、核融合反応が停止する。このため戦艦やモビルスーツが破壊されても、放射能については重水素やヘリウム3が元々持っている分が放出されるだけで殆ど無害であるとされる。

超圧縮され結晶格子となったミノフスキー粒子をさらに圧縮すると、臨界点を越えた時点で相転移を起こし、互いに結合して電気的に中性で極めて大きな質量を持つメガ粒子となる。この性質によりメガ粒子は高密度のエネルギーを保持しており、また電気的に中性であるため地磁気などの影響を受けず直進性があり、比較的拡散しにくい。これを軍事的に応用したのがメガ粒子を収束発射するメガ粒子砲である。なお、ビームサーベルで放出されているのはメガ粒子ではなくその直前状態にある圧縮ミノフスキー粒子であり、十数m程度の距離で熱エネルギーを放出して通常のミノフスキー粒子として拡散する。

圧縮され結晶格子状態にあるミノフスキー粒子は磁場により比較的容易に封じ込めることが可能であり、それを応用した装置がエネルギーCAPである。これにより巨大な反応炉などを使わずに高エネルギー状態にあるミノフスキー粒子を保持することができ、小さな電力でメガ粒子を生成することも可能となる。この装置を利用してモビルスーツにビーム兵器を携行可能にしたのがガンダムなどが装備するビームライフルであるが、これらは自力でミノフスキー粒子を生成するジェネレーターを搭載しないため、発射可能数に限界が存在することになる。

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