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トリクロサン
辞書:科学用語の基礎知識 薬学・一般薬編 (BPHARI)
読み:トリクロサン
外語:triclosan
品詞:名詞

ビスフェノール構造をもつ殺菌消毒剤、防腐防黴剤。

目次
概要
基本情報

トリクロサン
トリクロサン

誘導体、関連物質の例

ダイオキシンは構造が似ているが、直接は無関係である。常温でトリクロサンがダイオキシンになることはない。

性質

抗菌剤として、消毒用石鹸、ローション、歯磨き粉、制汗剤など、いろいろな製品に使われている。

また、化粧品、衣類、家具、あるいはプラスチック玩具などにも使われている。

特徴
薬理

ENR(エノイール‐アシル運搬蛋白還元酵素)という酵素の働きを阻害する。

この酵素は多くの細菌(バクテリア)と菌類細胞膜を作る際に働く。

トリクロサンは、ENRの活性部位に結合することにより、ごく微量であっても強力な抗生を示す。しかしヒトはこの酵素を持たないため、ヒトに対する害はない。

この特徴から、トリクロサンは、一般細菌の殺菌力に加え、ブドウ球菌などグラム陽性菌に対する静菌力も優れた抗菌成分となっている。

抗生物質

トリクロサンは抗生物質ではないが、その薬理作用は抗生物質に似ている。

このため、トリクロサンは抗生物質のように耐性菌を生じさせる可能性が存在する。

筋力低下

医薬部外品として承認されている濃度では安全性が高いとされ、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)でも、危険性は最も低い一般化学物質の扱いとなっている。

使用した濃度や信憑性については定かではないが、米カリフォルニア大デービス校などでの実験で、マウスや魚を使った実験で筋肉の活動性を低下させる恐れがあるとの実験結果が出たとして、2012(平成24)年8月に米科学アカデミー紀要(電子版)に発表するとして報じられた。

報道によれば、マウスや、コイ科のヒメハヤにトリクロサンを与えた。与えていない場合と比較して、マウスでは心臓が拍出する血液が最大25%減少、握力が18%低下し、ヒメハヤでも遊泳能力が落ちたとしている。

安全性
適用法令
危険性
有害性
環境影響
リンク
用語の所属
抗菌剤
関連する用語
酵素

細胞膜

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