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原始地球
辞書:科学用語の基礎知識 天文学天体用語編 (USTLY)
読み:げんしちきゅう
外語:The Origin of the Earth
品詞:名詞

約46億年前の、誕生したばかりの地球

目次
概要

何年前の地球までが原始地球なのかという明確な定義はないようだが、いずれにせよ誕生当初であり、地球が作られつつある時代の姿を原始地球と呼ぶ。

当時は地球含めて太陽系が作られる真っ盛りである。塵や埃から大小様々な微惑星が作られ、これらが互いに衝突して次第に大型化し、惑星を作っていった。

原始地球が現在のような大きさになるまでには約1億年が掛かったとされている。次々と微惑星が衝突しながら大型化、そのさなかに比較的大きな惑星テイアが激突し、このときに地球には月が作られた。

経過
核と地殻

原始地球は、数限りない微惑星の衝突で灼熱の世界で、全てが溶けた溶岩の状態だった。

やがて、徐々に原始地球は冷えていくが、テイアなどからもたらされた鉄など比重の大きな元素は中心部に集まり核を作り、軽い溶岩は地表へと浮き上がった。さらに時が流れ、溶岩が冷えてくると岩石となり、地殻が形成された。

大気

原始地球の頃の大気は、原始大気と呼ばれる。

この由来で有力な仮説は「衝突脱ガス」という説である。微惑星が衝突する際に中に含まれていたガス成分が蒸発し放出され、これが原始地球の周囲に溜まり大気を形成した。原始大気の主成分は水蒸気であり、他に二酸化炭素窒素一酸化炭素などを含んでいたと考えられている。

さらに地球が冷えてくると、原始大気中の水蒸気が液体となり、大量の雨となって地表に降り注ぎ、これが海となった。

しかし誕生したばかりの海は摂氏100℃を超す高温の海だったと考えられている。この海に地球の生命の出発点ともいえる、ごく簡単な最初の生命が誕生した。この生命は、やがて大きな進化を遂げることになる。

地球最初の生命

地球最初の生命は今も生きているとされる。

東太平洋のメキシコ沖2600mの深海、海底火山が活発に活動し300℃を越える熱水の噴出孔(チムニー)付近に生息していることが発見されている。

ここには、あたかも黒い煙を出す煙突のような海底火山の噴出孔(チムニー)が多数乱立しており、その煙の中には硫化水素(H2S)が大量に含まれている。この成分は、生命が誕生した当時に海に似ているとされる。

この海底域で発見されたチューブワーム(和名はハオリムシ/羽織虫)は消化器官を持たず食事をしない。代わりに体内に「硫黄酸化細菌」を共生させ、チムニーから硫化水素を取り込んで細菌に供給し、細菌から有機物を得て生きている。

現在、このチューブワームに共生する「硫黄酸化細菌」が地球に最初に誕生した生命体の子孫であないかとする説がある。最初の生物はまだ光合成を獲得していないため、このように地球からもたらされる物質からエネルギーを得ていたと考えられる。また、現在の光合成はこのチムニーを発見するための赤外線センサーが起源ではないか、とする仮説もある。

その後

地球全てを水の底に沈めるほどの水量が無かったため、地球に海ができたと同時に陸もできた。

この陸も移動し(大陸移動説)、たびたび超大陸を作りながら、現在は再び分裂して六大陸となっている。

このような時間の流れの中で、原始地球は現在の地球となっていった。

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