超高速度星(HVS)として飛行中の高温準矮星。
- 座標(2000年分点)
- 赤経: 16h 12m 53.2124089022s (SIMBAD) [可視光]
- 赤緯: +06°05′38.797630420″ (SIMBAD) [可視光]
- 銀経: 18.6617904480341 (SIMBAD)
- 銀緯: +37.8032033890480 (SIMBAD)
- 所属
- 距離
- 約20万光年
- 赤方偏移: z=0.002415 (SIMBAD)
- 光が届くまでの時間: 約0.33億年 (z=0.002415から計算)
- 実際の距離: 約0.33億光年 (z=0.002415から計算)
- 絶対等級(MV): (該当資料なし)
- 等級
- 紫外線等級(U): 15.37等
- 青色等級(B): 16.18等
- 黄色等級(V): 16.42等
- G等級(G): 16.3791±0.0014等
- スペクトル分類: sdB+F
- 視線速度(RV)=後退速度
- 723km/s(624.7km/cBeat) (SIMBAD)
- みかけの後退速度: 723.12km/s(624.8km/cBeat) (z=0.002415から計算)
- 実際の後退速度: 723.88km/s(625.4km/cBeat) (z=0.002415から計算)
- HE 0437-5439
- UCAC3 71-10374
- EC 04371-5439
- HVS 3
銀河系の銀河ハローを約540km/s(466.6km/cBeat)という猛スピードで飛行中の高温準矮星である。
銀河系の脱出速度を上回っているため、いずれ銀河系の重力を振り切って銀河間空間へと出て行くものと思われる。
2019(令和元)年8月6日、ハワイ・マウナケア山のW.M.ケック天文台の研究成果の論文がAstronomy and Astrophysicsに掲載された。
銀河系内から射出され系外に飛んでいく恒星の起源に迫ったもので、そのうち超高速度星「PG 1610+062」の由来を検証した。
これによると、このPG 1610+062は太陽質量の4〜5倍程度、若く青いB型の恒星で、これが510km/s(440.6km/cBeat)〜590km/s(509.8km/cBeat)で射出されたことが分かったという。更に問題はその射出地点であり、これは銀河中心ではなく、渦状腕であるいて・りゅうこつ腕付近だったとされた。
射出速度が非常に高速であることからブラックホールの存在を仮定する必要があり、つまり射出地点には未発見の中間質量ブラックホールが存在していて、これに弾き飛ばされたのではないかと考えられている。
つまり、この星はどうやら元々は連星だったが、ブラックホールに捕まり、片方はブラックホールに飲み込まれ、この星はブラックホールに弾き飛ばされたとみられる。
関連するリンク
PG 1610+062 -- Hot subdwarf @ SIMBAD
用語の所属

超高速度星