オクタン価

読み:オクタンか
品詞:名詞

ガソリンアンチノック性を表わす数値。数値が高い方ほど高性能を出せる。

目次

アンチノック性に優れた2,2,4-トリメチルペンタン(イソオクタン)をオクタン価100、非常にノッキングしやすいノルマルヘプタンをオクタン価0とし、その度合いにより値が決められる。

オクタン価の高いガソリンは高オクタン価ガソリンといい、ガソリンスタンドでは「ハイオクガソリン」という名前で売られている。

現在では、自動車で80以上、航空機では200前後のオクタン価のものを使用する。

ノッキング

ガソリンは、自己着火しにくい(オクタン価が高い)ほど高温高圧下でも自己発火せず、ノッキングしにくい優れたガソリンとなる。

オクタン価が高ければ、その分シリンダー内でより高圧縮が可能になり、爆発時に高いエネルギーが得られるようになる。

逆にオクタン価が低いとデトネーションと呼ばれる爆発不良のためにノッキングを起こし、走行が安定せず、最悪の場合にはエンジンを破損してしまう。

かつて、ガソリンの精錬技術が未熟だった時代、ガソリンのオクタン価を上げる為に四エチル鉛を添加していた。これを有鉛ガソリンという。

しかし鉛公害の原因となるため、後にベンゼントルエンなどの芳香族炭化水素が使われるようになった。これを無鉛ガソリンという。しかし芳香族炭化水素も環境負荷が高いため、近年では芳香族も使わない方向に行っているようである。

第二次世界大戦中の航空機用ガソリンでは、精製技術・燃料事情において有利であった連合国側が燃料がオクタン価120〜104程度だったのに対し、枢軸国側の燃料は96〜88程度と劣っていた。

また日本ではより高い精製技術を持つ海軍が反目からその技術を陸軍に公開せず、海軍の方が高いオクタン価の燃料を使っていたという噂もある。

オクタン価によってどれだけ性能に差が出るかというと、例えば疾風は最高速度624km/h(1498km/hBeat)、5,000mまで6分26秒だったが、戦後米軍によって140オクタンという超高オクタン燃料をもって行なわれたテストでは最高速度687km/h(1649km/hBeat)、6,100mまで5分48秒と歴然とした結果となった。

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