日立製作所の半導体部門(現ルネサス テクノロジ)の開発したマイクロコンピュータ。8ビット版と16ビット版が用意されている。8ビット版は8個の16ビットレジスタ、16ビット版は8個の32ビットレジスタが利用できる。
8ビットのH8/300およびH8/300Lシリーズと16ビットのH8/300Hシリーズ、H8Sシリーズがある。これらは全て、バイナリレベルでの上位互換がある(但し内部I/Oポートのアドレスが異なることがある)。また、非互換ながら、より高性能なH8/500シリーズがある。
8ビット版であっても、8×8ビット演算や16÷8ビット演算を行なう命令などが用意されているのは大きな特徴といえる。また、フラッシュメモリやウォッチドッグタイマ、A-Dコンバータを搭載したバージョンなども用意されており、組み込み用として非常に強力かつ有用なプロセッサである。
命令は2バイト(16ビット)単位で定義され、効率化されている。H8の特徴的な命令に、"MOV.s @ERs+,Rd" のように読んでポインタに使ったレジスタを加算する命令(.sはサイズで、.b/.w/.lがある)、"BTST.B Rn,Rd" のようにレジスタRdの、レジスタRnで指定したビットの内容をゼロフラグに入れる、などの命令がある。組み込み系ではよく使う処理だけに、標準で命令が存在するのは便利であろう。