磁気テープ
読み:じきテープ
外語:MT: magnetic tape

 磁気の性質を利用した帯状記録媒体の総称。多くは薄いフィルムの上に磁性体を塗布または蒸着したもので、この磁性体に磁気ヘッドを用いて磁化させることで情報を記録する。
目次

概要
 テープは、恐らく電子計算機用として最古の外部記憶装置である。
 このため歴史も長く、様々なものが存在している。電子計算機は長い歴史のなかで様々な「文化圏」を作っており(例えば汎用機パーソナルコンピューターなど)、文化圏ごとに使われる磁気テープの種類は異なる。

特徴
 すべての項目について、時系列通りではない。

音楽用

アナログ

ディジタル

映像用

コンピューター用

リニア記録(固定ヘッド)

ヘリカルスキャン

状況

大型汎用機
 大型汎用機、メインフレームなどを使う事務処理系業界では、古くよりオープンリール磁気テープが使われてきた。
 ダウンサイジングとしてパーソナルコンピューターによるUNIXシステムも普及したが、21世紀に入ってもなお現役であり特に日本で重用されている。ただし、この時代になると市販されているテープを使わざるを得ないことから、LTO Ultriumなどが使われる例が多い。

UNIX
 UNIX系サーバーシステムなどでは、パーソナルコンピューター(PC)を使用するため、オープンリールではなく初期よりカートリッジ型のものが多く使われている。
 この流れを汲む、他のオペレーティングシステム(OS)を採用する多くのパーソナルコンピューターでは、同様にカートリッジ型が主流となった。太古のPCでは音楽用のコンパクトカセットなどが使われたが、現在は専用のテープが使われている。この専用のテープはかつてストリーマーと呼ばれていたが、この呼称はいつの間にか廃れている。

パーソナルコンピューター

種類
 パーソナルコンピューターで現在主流として使われていたり、かつて主流だった主なもの。
AIT
8mm幅のデータ専用テープ
D8フォーマット
8mmビデオテープのデータ用
DDS(DAT)
DATのデータ用
DLT
0.5インチ(1.27cm)幅のデータ専用テープ
LTO Ultrium
0.5インチ(1.27cm)幅のデータ専用テープ
QIC
1/4インチ(6.35mm)幅のデータ専用テープ
SDLT(Super DLT)
0.5インチ(1.27cm)幅のデータ専用テープ。DLTの後継
Travan
8mm幅のデータ専用テープ
DTF
0.5インチ(1.27cm)幅のデータ専用ハイエンドテープ

テープ幅による分類
4mm
DDS(DAT)
1/4インチ(6.35mm)
QIC
8mm
AIT
D8フォーマット
Travan
QIC-Wide
0.5インチ(1.27cm)
DLT
LTO Ultrium
SDLT (Super DLT)
DTF

無圧縮時容量による分類
7Gバイト
D8フォーマット
20Gバイト
DDS (DDS-4)
Travan (TRAVAN 40GB)
40Gバイト
DLT (DLT-4)
42Gバイト
DTF (DTF-1)
200Gバイト
DTF (DTF-2)
300Gバイト
SDLT (Super DLTtapeII)
400Gバイト
AIT (AIT-5)
2.5Tバイト
LTO Ultrium (LTO Ultrium 6)

圧縮時容量による分類
14Gバイト
D8フォーマット
40Gバイト
DDS (DDS-4)
Travan (TRAVAN 40GB)
80Gバイト
DLT (DLT-4)
108Gバイト
DTF (DTF-1)
518Gバイト
DTF (DTF-2)
600Gバイト
SDLT (Super DLTtapeII)
1040Gバイト
AIT (AIT-5)
6.25Tバイト
LTO Ultrium (LTO Ultrium 6)

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