Internet Explorer
読み:インターネット-エクスプローラー
外語:Internet Explorer

 Microsoftの開発したWebブラウザー
目次

概要

由来
 Internet Explorerは一から新規に開発されたものではなく、Spyglass, Inc.からライセンスを受けたNCSA MosaicというWebブラウザーがベースになっている。
 かつて、Mozillaに喰われたMosaicであったが、Microsoftの手によって強力に生まれ変わり、遂にMozillaを叩き潰したのであった。

バージョン
 Internet Explorerは、バージョン6まではMicrosoft Internet Explorerだったが、Windows Vista搭載のバージョン7は名称が変更となり、Windows Internet Explorerとなった。不評だったらしく8からはまた名前を戻している。

特徴

構造
 このソフトウェアは、ActiveXであるWebブラウザーコントロールライブラリと、それを利用するためのクライアントアプリケーションの総称である。
 つまり、一般に単なるアプリケーションとして見られることが多いが、実際はそうではない。Webブラウザーやその関連制御を行なうライブラリはAPIとして用意されていて、それをWebブラウザーとして扱えるようにしたのがInternet Explorerという存在である。
 この形が成立したのはバージョン3.0からで、Internet Explorerが実用レベルに達した最初の版である。それより前は単なるアプリケーションである。また、Windows版以外のものも、単なるWebブラウザー機能を有したアプリケーションに過ぎない。Macintosh版、Solaris版、HP-UX版などが該当する。

レイアウトエンジン
 Internet Explorer 1はSpyglassからライセンスされたNCSA Mosaicをもとに開発されたレイアウトエンジンが採用された。しかしながらtable要素に対応しないなど機能が低く、利用者は皆無だった。そもそもtable要素は、RFC 1942などを経てHTML 3.2から正式に対応したもので、今では当たり前のように使われているが実は比較的新しい技術である。
 Internet Explorer 3は、Spyglassの技術をベースにしながら、そのソースコードを用いない新規開発されたレイアウトエンジンを採用した。CSS1にも部分的に対応し、ActiveXコントロールやJavaアプレットにも対応するなど機能向上が見られ、当時のライバルだったNetscape Navigatorに対抗する水準に達したが、同時にバグも多かった。JavaScriptもNetscape Navigatorとの互換性が乏しかった(実際には意図的な仕様)こともあり、シェア拡大にはつながらなかった。
 Internet Explorer 4以降、完全に新規開発されたレイアウトエンジンTridentに切り替わった。

標準添付
 Windows 95からInternet Explorerがオペレーティングシステム(OS)に標準添付されるようになった。
 Windows 98にはIE 4.01相当、Windows 2000にはIE 5相当のActiveXコントロールがOSに内蔵され、シームレス(seamless: 繋ぎ目の無い)なインターネット利用環境を提供するようになった。

セキュリティ
 昔から、セキュリティが甘い点が指摘されているソフトウェアである。
 インターネット技術は基本的に環境を問わず利用できるものだが、それではMicrosoftは儲からない。そこで自社技術への囲い込みを目的とし、Internet ExplorerだけでWindowsのかなりの機能が利用できるよう、設計された。この無謀な設計により、様々な問題を生むことになる。
 例えば、バージョン3.01以前では公然の仕様として、外部からコマンドが実行できるという問題があった。このため、例えば「DELTREE C:\ /Y」などを実行され、ディスクドライブ内のデータを全損される危険性があった。
 さすがにMicrosoftは猛烈な勢いで叩かれ、バージョン3.02ではコマンドを実行する(開く)か確認するように暫定対応、そしてバージョン4.0以降では、「ゾーン」という区切り概念を用い、信頼できない場所では、利用者に尋ねることなくダウンロードを拒否できるようになった。
 いずれにしても、Internet Explorerは、危険な動作は排除するという方向には向かわなかったわけである。

OLE

機能概要
 Internet Explorer 4.0以降では、OLEに対応した。
 表示が、左がフォルダーのツリー表示、右がそのフォルダー内、という一般的な画面を想定すると、この右側画面に、HTMLテクストファイルGIFJPEGPNGAdobe Flashなど、Internet Explorerで表示可能なリソースの表示が可能となった(但し、PNGが指定できるのはIE 5以降)。
 その他にも、MicrosoftのWordExcelなど、ActiveXサーバーがインストールされている場合は、それらでも同様にリソースの表示や編集が可能になる。
 これはかなり便利な機能で、Windowsらしいインターフェイスを提供する。
 なお、Internet Explorer 7以降は、Windowsのシェルと機能が分離してしまったため、この機能は利用できなくなった。

設定
 方法は、ツール(T)→フォルダーオプション(O)→ファイルの種類(Windows Vistaの場合)から、追加したいリソースを選び、以下のような機能を追加すると、右クリックから表示が可能になる。
アクション(A)
Windows 98系では&Explorerやエクスプローラー(&E)など。
Windows 2000以降ではExplorer等、お好みの名称を付ける(&が想定した動きをしないため)。
アクションを実行するアプリケーション(L)
Windows 95/98/98 SE/Meなら「C:\WINDOWS\Explorer.exe /e,/idlist,%l,%L」とする。
Windows 2000/XPなら「"C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore.exe" /e,/idlist,%l,%L」とする。
なお、最初の「C:」は環境に応じて変更すること。
DDE を使う(U)
チェックを付ける。
DDE メッセージ(D)
次の内容とする。
 [ExploreFolder("%l","%l",%S)]
アプリケーション(C)
「Folders」とする。
DDEアプリケーションが実行していないとき(N)
何も書かず空にしておく。
トピック(T)
「AppProperties」とする。
 右クリックから指定したアクションを選ぶだけで右側に表示されるようになり、エクスプローラーの操作性は格段に向上すると思われる。

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