地球近傍小惑星(NEA)のうち、軌道長半径が1auを超え、近日点が1.017au未満のもの。アポロ群とも。
軌道長半径が1天文単位より大きい、つまり地球の公転軌道よりも大きな軌道長半径を持った小惑星で、多くの期間は地球公転軌道より外側にあるが一時的に地球公転軌道の内側に入る小惑星である。この際に地球に接近することがあるため、潜在的な脅威である。
軌道要素は様々であり、近日点が水星より内側となるものや、遠日点が海王星より外側になるものまである。
アポロ型小惑星またはアポロ群という名称は、この分類で最初に発見された小惑星「(1862) アポロ」にちなんで命名された。ただし、これより先に発見された小惑星も多数アポロ型小惑星であることが、後の軌道計算によって判明している。
アポロ型小惑星は1万以上が発見されており、そのうち2000弱が潜在的に危険な小惑星とされている。
天体は膨大な数あるため、代表的なものの紹介に留める(小惑星番号があるものは番号順、ないものは識別符号順)。
- (1862) アポロ ‐ 1932(昭和7)年にカール・ラインムートが発見した。名前はギリシャ神話の太陽神アポロンから。このカテゴリーの名前の由来
- (25143) 1998 SF36 イトカワ(Itokawa) ‐ はやぶさがサンプルリターンを実施した小惑星、1998(平成10)年にLINEARで発見
- (162173) 1999 JU3 リュウグウ(Ryugu) ‐ はやぶさ2がサンプルリターンを実施した小惑星、1999(平成11)年にLINEARで発見
- 1991 BA
- 1991 VG
- 1993 KA2
- 1994 ES1
- 1994 XM1
- 1995 FF
- 1996 JA1
- 1999 XS35 ‐ 遠日点が海王星軌道より外側にある。ダモクレス型小惑星にも分類されている
- 2002 MN
- 2002 XV90
- 2003 SQ222
- 2003 XJ7
- 2004 OD4
- 2004 XP14 ‐ 直径は少なくとも300m前後はあり、2006(平成18)年には地球から43荳2430kmにまで接近した危険性が高い小惑星
- 2005 HC4 ‐ 既知の範囲内で、近日点が最も太陽に近いとされている小惑星
- 2005 YU55 ‐ 直径400m程度もあり、2011(平成23)年には地球から32荳5000kmにまで接近した危険性が高い小惑星
- 2011 CQ1 ‐ 観測史上最も地球に接近した小惑星。その際、地球重力で軌道が変わり、アテン型小惑星になった
用語の所属
地球近傍小惑星
関連する用語
アテン型小惑星
アモール型小惑星