かつて、NASDA/ISAS/NEDO/USEF/通産省の共同プロジェクトとして開発された、回収・再利用可能な宇宙実験・観測システムである。
- 1995(平成7)年3月18日: 打ち上げ
- 1996(平成8)年1月: スペースシャトルエンデバー(STS-72)で回収

この装置の特徴は、通常の人工衛星や探査機と違い、一定期間運用された後にスペースシャトルで回収し、再利用することが出来る点にある。
モジュール構造は汎用性が高く作られており、様々な目的に用いることができる。
1995(平成7)年3月18日に打ち上げられたSFU-1は、約10ヶ月間運用された。
そして1996(平成8)年1月にスペースシャトルエンデバー(STS-72)で、搭乗員の若田光一によりロボットアーム操作で回収された。その後スペースシャトルで再び地球に戻され、再利用のための点検・整備が行なわれた。
SFU-1には、4実施機関の次のような実験・観測装置が搭載された。
- 宇宙科学研究所
- 宇宙赤外望遠鏡(IRTS)
- 2次元展開/高電圧ソーラーアレイ(2D/HV)
- 電気推進実験(EPEX)
- プラズマ計測装置(SPDP)
- 宇宙生物実験(BIO)
- 凝固・結晶成長実験(MEX)
- 宇宙開発事業団
- SFU搭載実験機器部(EFFU)
- 気相成長基礎実験装置(GDEF)
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構/無人宇宙実験システム研究開発機構
- 複合加熱炉(GHF)
- 焦点加熱炉(MHF)
- 単熱炉(IHF)
宇宙赤外望遠鏡(IRTS)は、赤外線天体観測用としては、日本初の地球周回軌道に投入された観測器である。
赤外線望遠鏡であり、機体は超流動液体ヘリウムによって冷却された。IRTSの焦点面には、赤外線の全域をカバーするために四種類の観測器(NIRS、MIRS、FILM、FIRP)が搭載されていた。
1995(平成7)年3月30日から観測を開始し、超流動液体ヘリウムが消費される1995(平成7)年4月26日までの間に、全天の約7%の領域を観測した。
SFU-1の実験ペイロードが、SFU搭載実験機器部(EFFU)である。
EFFUには、国際宇宙ステーション(ISS)に接続される日本の実験モジュール「きぼう」の船外実験プラットフォーム部分モデルおよび気相成長基礎実験装置が搭載された。
きぼう開発に必要な各種データを得るため、次の実験が行なわれている。
- 流体ループ熱制御系実験
- 装置交換機構実験
- 微小重力(μ-g)環境特性実験
- 材料曝露実験
- 気相成長基礎実験
EUUFは外形寸法が1.5m×1.5m×1.05mで、重量は約300kg。消費電力は平均430W以下としている。
関連するリンク
http://iss.jaxa.jp/kibo/kibo-j/sfu-1/
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若田光一