カリウムの臭素酸塩となる無機化合物。食品添加物として使用されることがある。
- 化学式: KBrO3
- 分子量: 167.0
- 密度: 3.27g/cm3
- 融点: 350℃
- 沸点: 370℃(分解)
- CAS番号: 7758-01-2
- ICSC番号: 1115
- 外観: 白色の結晶または粉末
- 溶解性:
- 水への溶解度: 7.5g/100ml(25℃) (ICSC)
臭素酸カリウム自体は不燃性である。
しかし、臭素酸カリウムは強力な酸化剤であり、可燃性物質や還元性物質と激しく反応し、火災の危険をもたらす。
もし衣類に付着した場合は、火災の危険性があるため大量の水ですすぎ洗いをする必要がある。
かつては食品添加物として、パン生地や魚肉練り製品の品質改良材として使われた。しかしラットでの発がん性が指摘されたことで使用されなくなった。
欧州各国では使用禁止になっている。アメリカでは禁止されておらず、使用の事実の明記が義務付けられた。
日本では、パン以外での使用を禁止し、パンについても使用を自粛する動きである。但し、臭素酸カリウムは加熱により消失することに加え、現在では分析精度も向上したこともあり検出限界以下であれば実質的に問題もないため、山崎製パンなどのように使用を再開したメーカーもある。
日本では使用しても表示義務はないが、山崎製パンの場合は使用の旨を、「このパンには品質改善と風味の向上のため臭素酸カリウムを使用しております。残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しております。」と明記している。
危険性
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼、皮膚、気道を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: 人で発がん性を示す可能性がある
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): 設定されていない
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
食品添加物
関連する用語
パン