ウランの同位体の一つ。
- 記号: 235U
- 原子番号: 92
- 質量数: 235 (陽子92、中性子143)
- 天然存在比: 0.7204%
- 半減期: 7億年
- 比放射能: 8.02×104 (8万Bq/g)
- 比放射能の逆数: 1.25×10−5
- 崩壊の種類:崩壊後生成物
- α崩壊 → 231Th
- 自発核分裂(SF) → ?
- クラスタ崩壊(24Ne+25Ne核放射) → ?
- クラスタ崩壊(28Mg+29Mg核放射) → ?
- 主な由来
- 235Np (EC崩壊) 半減期1.084年
- 239Pu (α崩壊) 半減期24,110年
天然には、全ウラン中で1%に満たない程度しか存在しない。
ウラン235(235U)は核分裂反応が臨界に達することが可能なため、原子炉用核燃料や核爆弾に使われる。
235Uの半減期は7億年で、あまり崩壊しない。
α崩壊してα粒子(ヘリウム原子核)を放出し、トリウム231(231Th)になる。これはアクチニウム系列と呼ばれる崩壊系列の一つである。
その他稀に、クラスタ崩壊や、自発核分裂(SF)をすることもある。
原子炉で核燃料として使用した時の、ウラン235の核分裂による主な核分裂生成物(質量数順)。更にβ崩壊や中性子捕獲で別核種に変わっていくが、それらについては触れない。
- サマリウム149(149Sm)
- プロメチウム147(147Pm)
- セシウム137(137Cs)
- セシウム133(133Cs) (このうち一部は中性子捕獲でセシウム134になる)
- 沃素135(135I)
- 沃素131(131I)
- 沃素129(129I)
- テクネチウム99(99Tc)
- ジルコニウム93(93Zr)
- ストロンチウム90(90Sr)
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)における、ウラン235の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
- 吸入摂取した場合 (六弗化ウラン、弗化ウラニル、硝酸ウラニル等の六価の化合物) 6.0×10−4
- 吸入摂取した場合 (三酸化ウラン、四弗化ウラン、四塩化ウラン等の難溶性の化合物) 1.3×10−3
- 吸入摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化三ウラン等の不溶性の化合物) 6.1×10−3
- 経口摂取した場合 (四価のウラン化合物以外の化合物) 4.6×10−5
- 経口摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化三ウラン、四弗化ウラン等の四価の化合物) 8.3×10−6
つまり、10,000ベクレルを経口摂取した時(害の大きい四価以外)の実効線量は0.46ミリシーベルト(460マイクロシーベルト)である。
用語の所属
ウラン
同位体
関連する用語
放射線
ウラン238