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ミリシーベルト
辞書:科学用語の基礎知識 素粒子・用語編 (NPARTY)
読み:ミリシーベルト
外語:mSv: milli Sievert
品詞:単位助数詞

1/1000シーベルト、0.001シーベルト、10−3シーベルトのこと。省略形および単位は「mSv」。

目次
概要

放射線被曝の単位としてよく使われる。

一度にシーベルト単位の被曝は普通に死亡するほど強すぎるため大きすぎ、逆にマイクロ単位では小さすぎて健康への影響は皆無である。そのため、中間(?)のミリシーベルトがよく使われている。

次の式が成り立つ。

同時によく使われるものに、1時間で何シーベルト被曝するかの単位で、mSv/h(ミリシーベルト毎時)がある。例えば「100mSv/h」とあれば、その場に1時間とどまると「100mSv」被曝することになり、30分なら半分の50mSv、2時間なら倍の200mSvとなる。

主な被曝量

(シーベルトからミリオーダーを引用)

特徴
規制

放射線技師など、通常業務では、年間の合計が50ミリシーベルト以下で制限されている。

緊急業務では100ミリシーベルト以下だが、福島第一原子力発電所の事故に限り250ミリシーベルトにまで上限が引き上げられた。

人体への影響

微弱な放射線の人体への影響は、まだよく分かっていない。放射線は確実に人体に影響を与えるものの、それがイコール有害とは限らないからである。

一度に100ミリシーベルト以上の被曝でがんになる人が増えはじめるとされているが、臨床的に実際に健康被害が確認できるのは一度に200ミリシーベルト以上である。

国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告でも、低線量の影響は、およそ100ミリシーベルトよりも低い線量では疫学的にがんリスクの有意な増加は認められない、としている。

このように、一度に大量の放射線を浴びると健康を害するが、毎日少しずつなら問題はない。人体には、問題を回復させる能力が備わっているからである。

自然被曝量

大宇宙は放射線に溢れている。宇宙は危険なのである。

宇宙の一部である地球生物が住みやすいような自然の保護はあるが、放射線が0というわけでもなく、日本にいれば年間約1.5ミリシーベルト、世界平均で約2.4ミリシーベルトの自然放射線を浴びる。

少しの放射線被曝はむしろ健康に良いとまで言われており、ラジウム温泉などの放射線は新陳代謝を高めるとして湯治で人気が高い。

もちろん、入浴あるいは接近だけでも放射線被曝をすることになるが、日本最強の放射能泉とされる三朝温泉(鳥取県)の場合、泉水中のラドン濃度として683.3マッヘ(9361Bq/リットル)が得られているとする。仮にこの濃度のままで蒸気を吸引したとすると、1リットルあたりの実効線量は約60.8マイクロシーベルト(μSv)ということになる。

9000ベクレル以上のお湯に入るというのも色々な意味で刺激的だが、日本では自然放射線の量として平均約50nGy/h(440μSv/日)を浴びており、ベクレルで見ると凄そうでも、実際は大したことがないらしい。

仮に毎日入浴し毎日1リットルを吸入したとすると、累算で年22ミリシーベルト少々の線量となるが、それで実際に被害が出たという報告は今のところ無い。

有害と思われる放射線でも、毎日少しずつ浴びるのは、むしろ健康を促進するらしい。生命の神秘である。

考え方

一回のみ、数ミリシーベルトの被曝であれば、全く心配する必要はない。

数ミリシーベルト毎時を長時間蓄積することは、恐らく良いことではないが、臨床的にどの程度影響があるのかは定かではない。

国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告など、国際的にも100〜200ミリシーベルト程度の低い線量域での影響を計測することは難しいとされている。この程度で仮に健康に害を与えると仮定しても、発がん率はおよそ100人に1人いるかいないか程度。放射線被曝がなくても、100人のうち50人はがんになるので、影響は無視できる。

一度に1000ミリシーベルト=1シーベルトあたりの被曝にもなると、これは比較的大きな被曝である。白血病がんなどが、1000人あたり数人程度増加すると推定されている。しかし、この程度の量であっても即、致死的というわけでもない。もちろん健康に良くない量ではあり、車の運転中に携帯電話機を使う危険と同程度のリスクが存在するため、避けるにこしたことはない。

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用語の所属
国際単位系
シーベルト
関連する用語
放射線被曝
マイクロシーベルト
ナノシーベルト
LNT仮説

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