真空管

読み:しんくうかん
外語:vacuum tube 英語 , valve 英語
品詞:名詞

1960年代(昭和30年代中半)位までによく使われた、増幅作用をもつ電子管の名称。

起源

誕生の経緯は、1883(明治16)年にトーマス・エジソンが「エジソン効果」と呼ばれる現象を発見したことに端を発する。

これは電球の中に金属板(プレート)を入れると、高温のフィラメントから電子が飛び出すことで、プレートとフィラメント間に電圧をかけると電流が流れるというもの。

高温になっていないと電子は飛び出さないので、逆方向には流れない。これをそのまま利用して整流などに使えるようにした「二極真空管」が 1904(明治37)年にフレミングの手によって誕生した。

その2年後の1906(明治39)年、プレートとフィラメントの間にグリッドという金網状の電極を入れ、これに負の電圧をかけて変化させると、プレート‐フィラメント間の電流を大きく変化させられることを発見し、初めての増幅作用を持つ素子「三極真空管」が誕生した。これはド・フォレストの手による。

電子工学

真空管誕生後、その増幅作用を利用した各種回路方式が次々と発明され、電子工学の夜明けを迎えることとなった。

現在トランジスタ回路やIC内部で採用されている基本的な回路方式の殆どは、この真空管時代に考え出されたものである。真空管は後に半導体素子に取って代わられることになるが、1970年代初頭(昭和40年代中半)までは各種機器に第一線で使われた。

初期の電子計算機は真空管を何千本も使って作られていた。コンピューター用に設計された真空管も存在する。

日本では1970(昭和45)年頃を境に半導体素子を使った機器の方が優勢になり、1979(昭和54)年には日本における真空管の製造は終了した。

それでも、ロシア、ユーゴスラビア、スロバキア、ドイツなど主として東欧では高級オーディオ用として現在でも製造されていて、オーディオ専門誌では真空管アンプの製作記事も多い。秋葉原には今でも真空管の専門店がある。

実際に真空管を動作させるためには大抵200V以上の電圧が必要で、陰極加熱用のヒーター電源(多くは5Vか6.3V)が別に必要となる。

構造上で、フィラメントから直接電子を放出させる直熱管と、電子放出用の電極(カソード)と加熱用ヒーターを分離させた傍熱管という区別がある。

種類では二極管・三極管の他に、三極管を改良した五極管・ビーム四極管、特殊用途の七極管がある。

真空管の主な外形名に、年代の古い順から次のようなものがある。

  • S管 (ナス型。ナス管)
  • ST管 (だるま型)
  • GT管 (管の太さが均一なタイプ)
  • MT管 (頭に突起があるタイプ。小型。ミニチュア管)