バイナリ接頭語

読み:バイナリせっとうご
外語:Prefixes for binary multiples
品詞:名詞

2進数単位の頭に付けられる語(辞)。仕様はIEC 60027-2「Telecommunications and electronics」で規定されている。

電子計算機の世界は2進数で数値を表現する。このため、単位も2の累乗単位が用いられる。

しかし、昔は適当な単位が無かったため、従来は無理矢理SI単位系の単位接頭語を流用していた。例えば210=1024を「キロ」と表現したり、このキロの1024倍を「メガ」と表現するなどである。

前史

大昔は、バイトと、その1024倍となるキロバイト(現キビバイト)があれば充分だった。

そこで1000倍のキロは通常通り小文字のkを使い、1024倍のキロは大文字のKを使うようになった。区別のため、1024のKはキロではなく「ケイ」と発音した。

この当時はこれでも良かったのだが、時代は進み電子計算機が高性能化されてゆくと、メガ、ギガ、テラといった単位が必要になった。これらは元々大文字なので区別不可能となり、後の大混乱を招くことになるのである。

この問題の根幹は2000年問題と同様で、良くないことは誰でも分かっていながら、手遅れになるまで先延ばしし続けたことによる。

後史

現実には、このバイナリ接頭語はあまり普及していない。主要なオペレーティングシステムであるMicrosoft Windowsが一向に態度を改めようとしない事も、その理由と考えられる。

ハードディスクドライブなどは、昔からその容量はSI単位系の単位を用いていた。この混乱によって、訴訟大国アメリカでは、クレーマーが「容量が違う」との訴訟を相次いでハードディスクメーカーに対して起こすなど、問題は深刻の度を極めていった。

定義

国際電気標準会議(IEC)は、この問題の解決のため、単位を制定した。これがバイナリ接頭語(Binary prefixes)である。

SI単位系の各名称にバイナリ(binary)を付けてそれを略語にする、というのが基本的アイディアである。例えばキロkiloはkilobinaryとし、略してkibi(キビ)とする。

これを著している時点での最新の定義はIEC 60027-2:2005「Telecommunications and electronics」にあり、IEC 60027-2:2005のAppendix 2に一覧表が存在する。

現在規定されているのは、次の通りである。

  • 210はkibi、Ki、キビ
  • 220はmebi、Mi、メビ
  • 230はgibi、Gi、ギビ
  • 240はtebi、Ti、テビ
  • 250はpebi、Pi、ペビ
  • 260はexbi、Ei、エクシビ
  • 270はzebi、Zi、ゼビ
  • 280はyobi、Yi、ヨビ

1998(平成10)年12月の初版ではEiまでを定めていたが、2005(平成17)年8月、IECはEi以上の接頭語としてZiとYiを正式に規定した。

一覧表

ビット量

ビット量
SI・単位接頭語バイナリ接頭語
名称SIの値バイナリ名称
キロビット(kb)103210キビビット(Kib)210
メガビット(Mb)106220メビビット(Mib)220
ギガビット(Gb)109230ギビビット(Gib)230
テラビット(Tb)1012240テビビット(Tib)240
ペタビット(Pb)1015250ペビビット(Pib)250
エクサビット(Eb)1018260エクシビビット(Eib)260
ゼタビット(Zb)1021270ゼビビット(Zib)270
ヨタビット(Yb)1024280ヨビビット(Yib)280

バイト量

バイト量
SI・単位接頭語バイナリ接頭語
名称SIの値バイナリ名称
キロバイト(kB)103210キビバイト(KiB)210
メガバイト(MB)106220メビバイト(MiB)220
ギガバイト(GB)109230ギビバイト(GiB)230
テラバイト(TB)1012240テビバイト(TiB)240
ペタバイト(PB)1015250ペビバイト(PiB)250
エクサバイト(EB)1018260エクシビバイト(EiB)260
ゼタバイト(ZB)1021270ゼビバイト(ZiB)270
ヨタバイト(YB)1024280ヨビバイト(YiB)280