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自然科学 > 物質・粒子 |
反粒子 |
辞書:科学用語の基礎知識 素粒子・用語編 (NPARTY) |
読み:はんりゅうし |
外語:antiparticle |
品詞:名詞 |
反物質を構成する基本的な単位となる微細な粒子の総称。「反素粒子」とも。
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概要 |
物質を作る素粒子と比較して、電荷のみが正反対となるが、質量やスピンなどの性質は全く同じ、となる粒子をいう(但し、寿命などは異なることもある)。
このように、粒子と反粒子を互いに逆にして同じに見える状態を、「C(チャージ)が保存されている(C対称性を持つ)」という。
特徴 |
反転 |
C対称性がある状態では、電荷の符号を逆にするだけで、物質と反物質が反転する。しかし電荷を持たない物質の場合、チャージ変換しても元と変わらない。このようなものを「マヨラナ粒子」という。
実際には、電荷以外にも様々な要素が存在し、それらが反転するために、電荷を持たない粒子であってもマヨラナ粒子にはならず、電荷は同じだが元の素粒子とは異なる反粒子となるものもある。
反粒子 |
例えば、電子の反粒子は陽電子、陽子の反粒子は反陽子、中性子の反粒子は反中性子である。
中性子も反中性子も電荷は持っていないが、それを構成する3個のクォークに反粒子が存在する(反クォークがある)ため、反中性子が存在する。中性子と反中性子は異なる粒子である。
反原子核 |
反粒子同士が結合し、反原子核を作ることができる。例えば、反陽子と陽電子で、反水素原子を作ることに成功している。
反粒子は、通常の粒子と衝突すると対消滅を起こし、全ての質量はエネルギーに変換され放出される。
特殊相対性理論において空間に相対するものは時間だが、量子力学と結びつくと反粒子の説明が出来る。反粒子は「時間を逆行」しているのである。
スピン量子数 |
反粒子であっても、基本的な性質は物質を作る素粒子と同じである。
スピン量子数についても、素粒子と何一つ変わるところはない。
反ハドロンは、反クォークと呼ばれる反粒子から成り立っている。ここから、反物質は反クォークと反レプトンで構成されると言うことができ、更に反ゲージ粒子の存在も反物質に大きな影響を与えている。
これら反粒子は反ボース粒子と反フェルミ粒子に分けられるが、その違いはスピンにある。反粒子は自転しており、反粒子によって固有の回転の勢い(スピン量子数=スピン角運動量)を持つ。量子論での値は飛び飛びでディジタル風の表現になるが、スピンもまた同様であり、量子はある定数の1/2の倍数でしか回転の勢いを持つことができない(0、1/2、1、3/2、2、…)。
整数(0、1、2、…)のスピンを持つものを反ボース粒子、半整数(1/2、3/2、5/2、…)のスピンを持つものを反フェルミ粒子という。
反ボース粒子は反ゲージ粒子や反中間子のように相互作用(力)の伝達に機能し、反フェルミ粒子は反陽子、反中性子、陽電子、反ニュートリノのように反物質を形作る。この性質は、スピンの違いによって生じている。
超対称性変換は、ある粒子のスピンを1/2だけずらす操作をいい、これによって生まれると予言される粒子を超対称性粒子という。但し、現時点では一つも見つかっていない。
この操作により、従来反ボース粒子だったものは反フェルミ粒子の性質を獲得することになる。
例えば、反ゲージ粒子のグルーオン(グルーオンは素粒子と反粒子が同一)であれば、電荷0、色の電荷2種類、弱い電荷0、スピン1、という特徴がある。これを超対称変換すると、電荷などは同一で、スピンのみ1/2となった反フェルミ粒子、グルイーノ(グルイーノは素粒子と反粒子が同一)となる。
天文学では超対称性粒子は暗黒物質(ダークマター)の一つと考えられており、研究が進められている。
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