いわゆる「にがり」の一つで、海水中に微量含まれる。
- 組成式: KCl (イオン結晶)
- 式量: 74.551
- 比重: (該当資料なし)
- 融点: 770℃〜773℃ (ICSC)
- 沸点: 1500℃(昇華) (ICSC)
- CAS番号: 7447-40-7
- ICSC番号: 1450
塩化ナトリウム(食塩)と同様の結晶構造を持ち、同様に電解質であり水中ではカリウムイオン(K+)と塩化物イオン(Cl−)に電離する。
細胞質中に溶け込んでいる電解質である。
神経細胞なども含むあらゆる細胞において、膜電位の発生に使われている。
通常の摂取量では問題はないが、塩化カリウムの血中濃度が上昇すると心停止を招く。この点を利用して、塩化カリウムを薬殺に使うこともある。
ちなみに、この方法は物凄く苦しんで死ぬらしい。
カリウムと言えば、自然放射能としてカリウム40の存在が知られる。
塩化カリウムの質量中、カリウムは質量として52.445%となる。また、カリウム1gあたりのカリウム40は30.4Bqである。
ここから計算すると、塩化カリウム1kgあたりカリウムは524.45gであり、つまり15,943.28Bq/kgの放射能があることが分かる。
1万Bq/kgを軽く超えていても、一日に数g程度を摂取するだけなら、放射能の影響はないに等しい。
化学肥料のほか、人間用にはカリウム補給剤として使われる。
「にがり」として、豆乳を固めて豆腐を作るのにも用いられる。
塩化カリウムは、苦味を伴う塩味を呈する。しかも美味しくない上に、摂りすぎると危険であるため、日常ではあまり使われていない。
使用例としては、食塩(塩化ナトリウム)の代用品として、減塩しお(塩化カリウム)と称する商品が売られている。摂取する塩分量を減らすという目的の解決方法の一つであるが、使い方を間違えると危険である。
腎臓を悪くするとカリウムが排泄されにくくなり、血中カリウム濃度が高まることで突発的な心不全を起こす危険がある。
高血圧といっても、塩分の摂りすぎばかりが原因とは限らず、腎臓由来の症例もあるため、安易に使うのは避けるべきであろう。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼、気道を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): 制限しない
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): 設定されていない
- 最大許容作業濃度(MAK): 設定されていない (DFG 2008)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
塩 (科学)
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塩化ナトリウム