食塩の主成分で、塩素のナトリウム塩の結晶。結晶系は等軸晶系。
- 組成式: NaCl (イオン結晶)
- 式量: 58.44
- 比重: (該当資料なし)
- 融点: 800.8℃
- 沸点: 1413℃
- CAS番号: 7647-14-5
- ICSC番号: (登録なし)
電解質であり、水中ではナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl−)に電離する。
結晶状態では絶縁体だが、その水溶液は電導性を有する。
無臭だが塩辛い味を有し、これを鹹味(かんみ)という。この味は調味料として長く広く使われ続けてきている。
人間の舌は食塩なしでは料理を美味しく感じることが難しいため、生物として必要という以前に、料理には必要不可欠である。
成人で一日所要量は1.3g(ナトリウムで0.5g)程度である。
調味料として欠くことのできない物質であると共に、一定量の摂取は必須となるが、過剰な摂取は高血圧など様々な疾病の原因となる。
厚生省(現在の厚生労働省)の指針では1日10g(ナトリウムで3.9g)以下とされた。
WHOの一日許容摂取量(ADI)では1日5g〜6gとなっている。
しかし、現在の日本人は一日約12gの塩化ナトリウムを摂取しているとされている。
降雪地帯では道路凍結防止のため、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどが道路に撒かれる。これは凝固点降下という性質を利用し、道路が凍結しないようにするためである。
そこを乗用車で走れば付着することになるが、塩化ナトリウムは鉄を腐食させる。従って、走行後に乗用車を洗わずに置いておくと錆びてしまう。
海水中に約2.8%含まれるほか、鉱物として地中から岩塩が採掘される。岩塩は塩化ナトリウム以外に様々な物質が含まれており、呈色や風味は多彩である。世界各国の岩塩が、調味料として市販されている。
工業的には海水からイオン交換膜などを用いて精製される。
実験室レベルであれば、塩酸と水酸化ナトリウムを中和させることで作ることができる(HCl+NaOH→NaCl+H2O)。
危険性
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性
- ラット経口LD50: 3000mg/kg/日
- ラット経皮投与LD50: 2000mg/kg/日
- ヒトの経口LD50: 3000〜4000mg/kg/日
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 規制値
- 一日許容摂取量(ADI): 5g/日
- 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
- 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
- 暴露許容濃度(TLV): 設定されていない
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
用語の所属

塩 (科学)
関連する用語

食塩

塩化カリウム