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炭酸水素ナトリウム
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・食品添加物編 (NSUBNFA)
読み:たんさんすいそナトリウム
外語:sodium bicarbonate
品詞:名詞

ナトリウムの炭酸水素塩。重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ、略して「重曹」ともいい、料理ではベーキングパウダーとして使われている。また、温泉(炭酸水素塩泉)の含有物質として代表的である。

目次
情報
基本情報
誘導体、関連物質の例
概要
名称

重曹という名は重炭酸ナトリウムにちなむ。

ナトリウムは英語でソーダといい、漢字では曹達と書く。こうして、重炭酸ナトリウム→重炭酸曹達→重曹と略されたのが名前の由来である。

性質

加熱すると炭酸ナトリウム二酸化炭素に分解する。

水に可溶。水溶液は弱塩基である(25度でpH8.3)。これは、水溶液中で解離するが、酸としてより塩基としての性質の方が僅かに強いため、弱アルカリ性を示す。

用途
温泉

温泉(炭酸水素塩泉)中に含まれているほか、それを模した入浴剤の有効成分としてよく使われる無機塩である。

石鹸と同様に、皮膚や汗腺の脂肪汚れを洗浄する(溶かす)効果があるため、さっぱり感がある。

胃薬

炭酸水素ナトリウム(重曹)は弱アルカリ性のため胃酸(酸性)を抑える働きがあり、胃薬に使われる。

ただし、胃酸の塩酸によって重炭酸ナトリウムは分解され二酸化炭素となり、これが胃酸の分泌を余計促すことになるとする説もある。

粉末消火器

粉末消火器のうち、外観色が白の「第1種粉末」とされるものは、主成分が炭酸水素ナトリウムである。油火災(B火災)、電気火災(C火災)、ガス火災が対象である。

これは、燃焼の過程で生じ燃焼を継続させるラジカルを、炭酸水素ナトリウムが熱分解して生じたナトリウムイオンが取り込んで燃焼の継続を抑制する働きを利用するものである。

洗浄

重炭酸ナトリウムは脱臭や研磨性などに優れている。

炭酸水素ナトリウム(重曹)は弱アルカリ性であり性質が弱い。通常の洗浄液はpH 9〜10程度だが、たかだかpH 8の重曹のみでは洗浄には向かない。ただし、洗浄剤の補助として使われることがある。

疑似科学(ニセ科学)では、重曹は万能の洗剤のように扱われ界面活性剤より安全として熱心に販売する業者があるが、これは現実からかけ離れている。

慢性腎疾患の進行抑制

1日1回量の炭酸水素ナトリウム(重曹)服用により、慢性腎疾患の進行が遅くなる可能性があることが研究によって明らかにされ、米国腎臓学会誌「Journal of the American Society of Nephrology」オンライン版に2009(平成21)年7月16日、掲載された。

曰く、代謝性アシドーシスを伴う進行慢性腎疾患で、炭酸水素ナトリウム投与群における腎機能低下速度は、非投与群に比べて約3/2遅かったとする。また、炭酸水素ナトリウム投与群は、透析を要する末期腎疾患(ESRD)が発現する可能性も低かったとする。

炭酸水素ナトリウムのような、安価かつ簡便なこの方法は、経済、生活の質、臨床転帰に有意な便益をもたらす可能性があるとして、注目が集まっている。

安全性
危険性
有害性
環境影響
リンク
関連するリンク
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関連する用語
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