写真システムの一つAPSで使われるフィルムサイズの一つ。
APS自体は全く普及していないが、現在この語はデジカメ用語としてよく使われている。
APSで使われるフィルムサイズの一つである。
APSでは通常の35mmフィルムよりも一回り小さなフィルムを使用しており、このうちAPS-Cサイズは横23.4mm×縦16.7mmで、アスペクト比は3∶2となっている。
APS-Cサイズは35mmフィルムよりも小さく、受光部の長さは約2/3しかない。
このため実撮影画角は、35mmフィルム用の焦点距離の表記を1.5〜1.6倍したレンズとほぼ同じ画角になる。言い替えれば、同じレンズを使用しても焦点距離は35mmフィルムの焦点距離より1.5〜1.6倍程度長くなる。
この特徴は、望遠撮影には有利となる一方、広角には不利となる。
例えば18mmレンズを使っても28mm相当(一般的な標準レンズの広角端)にしかならないため、画角不足に陥ることになる。このため、デジタル一眼レフカメラが登場した直後にリリースされたデジタル用のレンズは、広角レンズが多かった。
APS-Cサイズ撮像素子は35mmフルサイズより小さいが、撮像素子の大きさは必ずしも35mmである必要は無い。そもそも35mmフィルム規格は完全に偶然の産物で、単に普及しているというだけであり、その大きさに必然性は無いからである。
また小さいからといって性能が著しく劣るわけでもなく、現在のAPS-Cサイズ撮像素子でも充分な画質が実現されている。デジタル一眼レフカメラに限らず、コンパクトデジカメでも同様である。その上、素子が小型であればその分全体が小型軽量に済むという利点もある。
35mm機が欲しいという声もある一方で、無理に大型化する目的効果も問われ始めてはいる。しかし大型化小型化いずれにせよ、市場はどうやらAPS-Cサイズから徐々に離れつつあるようだ。
市場には「コンパクトデジカメ」という需要が強くある。一眼レフカメラの場合もコンパクトの需要はあるらしいが、デジタル一眼レフカメラに対して小型化という要望は強くはない。
既に35mmフィルムに合わせたレンズ群が充実しており、これを流用できることもデジタル一眼レフカメラの大きなメリットである。35mmフィルム用に設計されたレンズ、あるいは一部のみを変えて互換性を持たせたレンズを用いる限り、その仕様に縛られて大幅な小型化は望めない。また、行きすぎた小型化はカメラのホールディングを悪くする。
35mmフルサイズの製品増加は続くと見られるが、しかしデジカメ全体が35mmに大型化するとは考えにくい。コンパクト路線のデジカメには、35mmフルサイズ化はむしろデメリットの方が大きいからである。
なお一眼レフカメラでも、売れていないがフォーサーズ、マイクロフォーサーズシステムといったAPS-Cよりもコンパクトなものが登場してきている。APS-Cは今後も残るだろうが、いずれは高級コンパクトデジカメ向けになるものと予想され、コンパクトなAPS-Cや更に小型なものと、一眼レフカメラの35mmとで二極化し、住み分けが進むものと思われる。