P2Pファイル共有ネットワークFastTrackを開発したNiklas Zennström(ニクラス・ゼンストローム)とJanus Friis(ヤヌス・フリス)が開発したP2Pファイル共有ソフトウェア。正式にはKazaa Media Desktopと呼ばれ、FastTrackを基盤として用いるクライアントアプリケーションである。
両氏はConsumer Empowermentの子会社としてKaZaA BV社を設立し、Kazaaを提供した。後にKaZaAは2002(平成14)年3月にはSharman Networks社に買収された。
現在、広告付きフリー版Kazaaと、US$29.95の有料版Kazaa Plusがある。広告のないフリー版Kazaaliteもあるが、これは海賊版であり、Sharman Networks社の公式な製品ではない。
世界一人気の高いファイル共有ソフトウェアとも呼ばれ、世界での総ダウンロード件数は2002(平成14)年9月までに1億2千万件、2003(平成15)年5月25日までに累計2億3000万回を超えたとされ、現在では常時300万人が接続していると言われている。
音声、画像、文書などのファイルとソフトウェアが共有の対象で、2003(平成15)年10月現在、入手可能な楽曲数は10億曲とされている。このため音楽業界が敵視するソフトウェアの一つとなった。
まずKaZaAは国際音楽同業者組合(IFPI)オランダ支部に提訴され、2001(平成13)年11月に敗訴、KaZaAに対し1日あたり4万ドルの支払い命ずる判決を出した。その後KaZaAはSharman Networksという海外企業に買収された。これはオランダに居続けると閉鎖せざるを得ない状況の回避目的もあった。その後、オランダの控訴裁はKazaaの利用者が著作権侵害行為をしたとしても、Kazaaはその責任を負う必要はない、という判決を下した。つまり悪いのは利用者、Kazaaは無罪、ということである。現在は更なる控訴審が行なわれており、判決は2005(平成17)年以降に出る予定である。
またアメリカでもRIAA(米国レコード産業協会)が提供元Sharman Networks社のほか、悪質な利用者を身元不明のまま提訴するなど、攻勢を強めている。
オランダではKazaaが音楽業界に勝利したが、これはあくまで会社が勝利したのであって、当たり前だが違法な利用をしている消費者が勝利したわけではない。消費者にしてみれば、企業のやっていることだから著作権侵害だとは思わなかった、という言い訳を失っただけのことである。違法なファイル共有を続ければ、いつかは後ろに手をまわさねばならない日が来るかもしれないことを意味する。
ちなみにKazaaにはFastTrackと呼ばれるファイル共有ネットワークの他に、Altnetと呼ばれる別の非公開P2Pネットワークが存在する。これはスパイウェアとも解されている存在で、これを利用して広告配信や音楽等のコンテンツ配信、コンピュータリソースを一部利用する分散処理やストレージサービスなどが計画されているとされる。