オーランチオキトリウム |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名編 (BBN) |
読み:オーランチオキトリウム |
外語:Aurantiochytrium |
品詞:名詞 |
藻類である微生物で、炭水化物を作り出す能を持つ。このため、「石油を作る菌類」として、研究が進められている。
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情報 |
界周辺の分類については研究中であり、現在は混沌としている。
分類 |
種 |
知られているのは次の種である。
特徴 |
形状等 |
球形で、直径は5μm〜15μm。
無性生殖であり、二分裂で増殖する。
かつてはツボカビと呼ばれた一群に属する菌類であるが、現在のDNA研究では動物と菌類が同一グループになるなど様々な発見や説があり、このような微生物については更に説が混沌としている。
従属栄養生物 |
葉緑体を持たず光合成をしない従属栄養生物の微生物で、周囲の有機物を取り込んで生育するとされている。
これを「石油を作る藻」ともいう。古くからある「藻類」の概念では、光合成で酸素を作らないものは藻類ではなかったが、DNA研究に基づき五界説などの分類法が瓦解した現在では、階層構造である程度上位のグループで括った場合、従属栄養生物まで藻類に含まれてしまう結果となっている。
従って、オーランチオキトリウムのような従属栄養生物も、近年の分類では藻類、誤解を招かないように表現するならば「広義の藻類」とでも言える分類状況となっている。
石油 |
スクアレンという油脂(炭化水素)を生成して細胞内に蓄積する。
まだ実用化はされていないが、この油脂から重油やガソリンなど石油製品を作ることができる、あるいは火力発電など液体化しなくても良い場合はペレット化して燃料に利用できると考えられており、特に日本で研究が進められている。
石油生成能力 |
筑波大学の渡邉信教授らのグループによると、深さ1メートルのプールで培養した場合、面積1ヘクタールあたり年間約1万トンの炭化水素を作り出せるとし、国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2荳ヘクタールとすると、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になるとしている。
大規模なプラントで大量培養すると、自動車の燃料用として、1リットルを50円以下で供給できるようになる、としている(恐らくガソリン税などの税金を除いた額と思われる)。
そもそもこの藻類は水中の有機物を餌にして吸収し増殖するため、生活排水などの浄化にも役立ち、下水処理場で下水処理しながら油を生産するような、一石二鳥の画期的なプラントも実現できるとしている。
リンク |
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