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ジアシルグリセロール
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質編 (NSUB)
読み:ジアシルグリセロール
外語:DAG: diacylglycerol
品詞:名詞

食用油の成分の一つの中性脂肪。1,2-DAGと1,3-DAGがあり、通常は1,3-DAGのことをいう。

目次
物質の情報
基本情報

ジアシルグリセロール
ジアシルグリセロール

誘導体、関連物質の例
物質の性質
食品添加物

植物油に数%含まれる天然油脂で、食品添加物(食添)として利用されている。

2000(平成12)年に米国FDAにGRAS(一般に安全と認められる)と認定されている。

製品

ジアシルグリセロールを高濃度に含有する食用油として、花王の「健康エコナクッキングオイル」がある。

価格が高く、味も悪いながら、そこそこ売れていたようである。

構造

脂肪酸2分子とグリセリンとのエステルである。

通常の食用油の成分であるトリアシルグリセロールと違い、消化で分解され小腸で吸収されたあと再び中性脂肪に戻らないため、血中脂肪濃度が高まらず、体に脂肪が付きにくいとされている。

花王の健康エコナクッキングオイルは、「体に脂肪が付きにくい」という効果により、特定保健用食品に認可されていた。ただし、有意な効果が認められなかったとする報告もある。

筑波大学の鈴木正成らが肥満学会で発表した研究結果によると、この健康エコナと他社のサラダ油をラットとヒトで比較実験したところ、血清中性脂肪濃度など殆どの検査項目で有意な差は見られなかったとした。アメリカでも同様のものがENOVAの商品名で販売されているが、アメリカでも同様に効果が疑問視されている。

発がん性の疑い

ジアシルグリセロールは食品添加物として認められている。

しかし多量摂取した場合、ネズミの実験で舌がんを誘発する可能性、つまり発がん性物質(発がんプロモータ)である可能性が示唆されており、安全性審査などが実施されている。

但し、例えば食塩も発がん性物質の一つなのであり、こういった食品をどう扱うかは、まだ世界的にも取り決めがなされていないようである。

なお、エコナクッキングオイルには、製造過程で生成するといわれているグリシドール脂肪酸エステル(グリシドールエステル)が高濃度(一般食用油の10〜182倍)含まれるが、これも発がん性が疑われている。

エコナシリーズについては、グリシドールエステル問題が発生したことで2009(平成21)年9月16日に販売中止、消費者庁が2009(平成21)年10月8日に許可取り消しに向けた再審査を行なう決定をしたことを受けて同日、花王から特保表示を返上する失効届が消費者庁に提出された。

物質の特徴
安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響
リンク
用語の所属
食用油
エステル
関連する用語
トリアシルグリセロール

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