分子構造がベンゼン環+ジアゼピン環+アリール環から成り立つ物質のこと。
ベンゾジアゼピンは、脳の神経伝達物質の一つGABA(ギャバ)の働きを強め、もって中枢神経系の神経伝達を抑制する。
マイナートランキライザーの成分で、抗癲癇剤、催眠鎮静剤、抗不安薬、自律神経薬などとして使われる。
ベンゾジアゼピンが発明される以前に使われて来たバルビツール酸系と比べると耐性は付きにくく、安全性も高い。しかし耐性形成は存在する。また、依存性が高い。
しかし死亡率も依存症も睡眠薬の中では比較的軽いので、一般に、病院へ行き「眠れない」と言うと、最初に処方される眠剤はこの系統である。
GABA受容体にはベンゾジアゼピン系薬剤が結合するベンゾジアゼピン受容体があり、ここに薬物が結合する。
結合してギャバ受容体が活性化されると、抑制性神経が活性化され、眠たくなったり脱力感などの薬効が現われる。
どの成分にしても、効果は個体差があり、効きにくい場合もある。
また、一部にはアルコールとの併用で前方性健忘を起こすものがあるため、併用は推奨されていない。
成分を主とし、主な製品名は()で併記する。
- 超短期型 (6時間以内)
- 短期型 (12時間以内)
- 塩酸リルマザホン (リスミー)
- ブロチゾラム (レンドルミン)
- ロルメタゼパム (エバミール)
- 中期型 (24時間程度)
- 長期型 (30時間以上)
- ハロキサゾラム (ソメリン)
- フルラゼパム (ダルメート、ベノジール、インスミン)
関連する物質に、チエノジアゼピンなどがある。ベンゾジアゼピン系と混同されがちであるが、異なるものである。
用語の所属

抗不安薬

催眠鎮静剤
関連する用語

マイナートランキライザー

チエノジアゼピン

ベンゼン環

GABA