Bluetooth

読み:ブルートゥース
外語:Bluetooth 英語
品詞:固有名詞

近距離無線通信技術の一つ。2.4GHz帯の電波(ISM、世界的に免許の要らない電波帯域)を使用するもので、ディジタル機器で広く使われている。

由来

IntelIBMEricssonNokia東芝の5社が提唱した。

Bluetoothの基本的なコンセプトとして、低消費電力、低価格、高速、などがある。またロイヤルティフリーである。

IEEEでは、IEEE 802.15のうちIEEE 802.15.1として規格化された。

コンセプト

周波数帯は2.4GHz帯のISMで、FHSS(周波数ホッピングスペクトラム拡散)方式を採用している。

ごく短距離の通信を目的とし、これまであった、短くて邪魔なケーブルを無くすことを主たる目的として作られた。

通信の暗号化とFHSSメカニズムから、セキュリティ面でも有利である。

名前の由来

Bluetoothは直訳すると「青い歯」だが、そのような意味は無い。

語源は10世紀のデンマーク王であるハーラル王(908?〜986)に由来しており、王の本来のあだ名の「浅黒い肌の権力者」(浅黒い肌はBlå、権力者はtan)を英語の音に写したものがbluetoothである。

ハーラル王は、デンマークとノルウェーを無血統合したことから、異なる機器を繋ぐ規格名にふさわしいとして採用された。

バージョン

Bluetoothには、多くのバージョンがある。

Bluetooth 1.0
初版
Bluetooth 1.0b
修正版
Bluetooth 1.0b+Critical Errata
修正版
Bluetooth 1.1
普及版
Bluetooth 1.2
無線LAN(Wi-Fi)との干渉を避けるAFH(Adaptive Frequency Hopping)対応
Bluetooth 2.0+EDR(Enhanced Data Rate)
最大3Mbpsの高速モードに対応
Bluetooth 2.1+EDR
消費電力を削減する「Sniff Subrating」機能を追加
Bluetooth 3.0+HS
IEEE 802.11 Protocol Adaptation Layer(PAL)を採用し、最大24Mbpsに対応
Bluetooth 4.0
省電力Bluetooth。4.0は3.0の直接の後継ではなく、互換性がない。
最大1Mbpsだが省電力で動作し、センサーのような小型機器向けに、8から27オクテットという短いデータパケットをサポートすることを目的とする。

用途用法

Bluetoothは、有線ケーブルを無線化するための技術である。

それまでは、ごく短いケーブルで繋いでいたようなものを無線化することを主たる目的とする技術であり、様々な機器を相互接続することを想定している。

このため用途に応じて様々なプロトコルが使われる。しかし、全ての対応機器が全てのプロトコルを実装する必要も必然性も無く、現実には使うものだけが実装されていれば実用充分である。そこで、目的に応じて必要なプロトコルなどが決められており、これを目的ごとにまとめ「プロファイル」と呼んでいる。

Bluetoothで互いに接続するためには、通信しようとする機器同士が同じプロファイルを持っている(対応している)必要がある。但し、プロファイルにはサーバー側とクライアント側の区別が存在するため、ある方向に使える機能が逆方向にも使えるとは限らない。

認証

Bluetoothは無線で通信するため、互いを認証する作業を要する。これを「ペアリング」と呼んでいる。無関係の機器と交信してしまわないよう、セキュリティのために存在する。

ペアリングでは、PINコード(パスキー、PINキーともいう)を入力し、これを元にして固有のリンクキーを生成して通信が可能となる。手入力が基本だが、小型装置では固定であったり、いくつかからの選択式であったりすることもある。

リンクキーは互いの装置間に保存されるので、一度ペアリングが成功すれば、以降はわざわざペアリングをする必要は原則として無い。ただし小規模な装置では、保存出来るリンクキーが一個限定ということがあり、この場合は他の機器とペアリングすると、前の装置と通信するためには再度ペアリングせねばならない。

クラス

電波強度と到達距離に応じて、クラスが定義されている。

  • Class 1 ‐ 100mW (100m)
  • Class 2 ‐ 2.5mW (10m)
  • Class 3 ‐ 1mW (1m)

携帯電話機などでよく使われているのはClass 2である。

プロファイル

用途に応じて様々なプロトコルがあるが、用途ごとに定義されたプロトコルの使用方法(構造)の標準をプロファイルという。

通信しようとする機器同士が同じプロファイルに対応している場合のみ、そのプロファイルに応じた機能を利用することができる。

この中で、比較的よく使われているのは、DUN、FTP、OPP、HSP、A2DP、AVRCPなどである。

A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) 高度オーディオ配信プロファイル
ヘッドフォンやスピーカーなどに対し、ステレオ品質のオーディオを伝送するプロファイル
AVP(Audio/Video Profile) オーディオ/ビデオ プロファイル
A2DP+AVRCPの通称
AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile) オーディオ/ビデオ リモート制御プロファイル
テレビやオーディオ機器を制御する標準的なインターフェイスを提供するプロファイル。A2DPやVDPなどと連携する。
BIP(Basic Imaging Profile) 基本画像プロファイル
デバイス間で画像の伝送をするためのプロファイル
BPP(Basic Printing Profile) 基本印刷プロファイル
文書や画像等をプリンターで印刷するためのプロファイル
CIP(Common ISDN Access Profile) 共通ISDNアクセスプロファイル
無線接続経由でISDNを伝送するためのプロファイル
CTP(Cordless Telephony Profile) コードレス電話プロファイル
コードレスホンをBluetoothで実現するためのプロファイル
DUN(Dial-Up Network Profile) ダイヤルアップ ネットワーク プロファイル
インターネットなどにダイヤルアップアクセスするためのプロファイル
FAX(Fax Profile) FAXプロファイル
FAXを使用するためのプロファイル
FTP(File Transfer Profile) ファイル転送プロファイル
サーバーにあるファイルをクライアントから参照するためのプロファイル
GAP(Generic Access Profile) 一般アクセスプロファイル
他の全てのプロファイルの基礎として機能するプロファイルで、機器の接続、認証、暗号化などを行なうもの。
Bluetooth対応をうたうためには、少なくともGAPには対応する必要がある。
GAVDP(General Audio/Video Distribution Profile) 一般オーディオ/ビデオ配信プロファイル
ビデオストリームやオーディオストリームを配信するためのプロファイル
A2DPやVDPの基礎技術として使われている
GOEP(Generic Object Exchange Profile) 一般オブジェクト交換プロファイル
デバイス間でオブジェクト転送をするためのプロファイル
HCRP(Hard Copy Cable Replacement Profile) ハードコピー ケーブル置換プロファイル
印刷をするためのプロファイル
HDP(Health Device Profile) ヘルスデバイス プロファイル
健康管理機器を接続するためのプロファイル
HFP(Hands-Free Profile) ハンズフリー プロファイル
ハンズフリーデバイスで発呼や着呼するためのプロファイル
HSPと比較して、通信機能をもっている点が異なる
HSP(Headset Profile) ヘッドセット プロファイル
ヘッドセットを接続するためのプロファイル
HID(Human Interface Device Profile) ヒューマン インターフェイス デバイス プロファイル
キーボードポインティングデバイス、ゲームデバイス、リモート監視デバイスなどを接続するためのプロファイル
ICP(Intercom Profile) インターコム プロファイル
携帯電話機を、公衆電話網を使用せずに直接接続するためのプロファイル
LAP(LAN Access Profile)
Bluetoothを利用して無線LANを構築するためのプロファイル
OPP(Object Push Profile) オブジェクト プッシュ プロファイル
プッシュサーバーとプッシュクライアントを定義するプロファイル
二台の携帯電話機間、または携帯電話機とPC間で、連絡先やスケジュールの交換などに利用される
PAN(Personal Area Networking Profile) パーソナルエリア ネットワーク プロファイル
二台以上のBluetoothデバイスでネットワークを構築するためのプロファイル
PBAP(Phone Book Access Profile)
電話帳情報を伝送するためのプロファイル
SDAP(Service Discovery Application Profile) サービス検索アプリケーション プロファイル
SDPを利用して、リモートデバイス上のサービスを検索するためのプロファイル
SPP(Serial Port Profile) シリアルポート プロファイル
仮想シリアルポートを用いて二台のデバイスを接続するためのプロファイル
SYNC(Synchronization Profile) 同期プロファイル
カレンダーやPIM情報の同期をするためのプロファイル
VDP(Video Distribution Profile) ビデオ配信プロファイル
ビデオ配信をするためのプロファイル

策定中プロファイル

  • ESDP(Extended Service Discovery Profile)
  • MAP(Message Access Profile)
  • UDI(Unrestricted Digital Information) 非制限デジタル情報
  • VCP(Video Conferencing Profile)

プロトコル

Bluetoothで使われている主要なプロトコルは次の通り。

AVCTP(Audio/Video Control Transport Protocol) オーディオ/ビデオ制御トランスポート プロトコル
AVデバイスの制御メッセージを伝送するためのプロトコル
AVDTP(Audio/Video Distribution Transport Protocol) オーディオ/ビデオ配信トランスポート プロトコル
AVストリームの伝送をするためのプロトコル
BNEP(Bluetooth Network Encapsulation Protocol) Bluetoothネットワーク カプセル化プロトコル
IPv4やIPv6などのプロトコルをBluetooth上で伝送するためのカプセル化プロトコル
OBEX(Object Exchange) オブジェクト交換
二台のデバイス間でオブジェクト伝送をするためのプロトコル
OPP、PBAPなど、様々なプロファイルで使われている。
SDP(Service Discovery Protocol) サービス発見プロトコル
通信機器が、どのようなサービスをサポートしているかを検査する場合などに使われる
TCP(Telephony Control Protocol) 電話制御プロトコル
音声通話やデータ通信のための呼制御を行なうプロトコル
RFCOMM(ESTI TS 07.10 標準)
RS-232Cシリアルポートをエミュレートするプロトコル