排泄された大小便を取るために腰の下に巻く衣類。
古来より、襁褓(おしめ、むつき)、湿布(しめし)、などと呼ばれ、むつきが変化して「おむつ」となった。
一般には、排泄の制御能力のない赤ちゃん、老人、身体障礙者等に用いる。
古来から赤ちゃん用として使われて来たが、近年では老人介護用として医療控除が受けられるようになったことから、老人用も広く普及してきた。
かつては布製のものが普通だった。洗って使うことから大変だと忌諱されるようになっては来たが、使い捨てでないので経済的で、またゴミも出ないという利点はある。
近年は使い捨て可能で、かつ一度吸収した程度では漏れない便利な使い捨ておむつ(紙おむつとも言うが、しかし実は紙ではない)も一般に使われている。
大きく「布おむつ」と「使い捨ておむつ」がある。
布おむつは、唯の布であるので、おむつカバーによって身体に固定される。
またこのおむつカバーは一般に水分を通しにくい材質でできており、尿をせき止める働きもある。
新生児では1枚を四つ折りにして使うことが多い。生後1ヶ月くらいになると尿量も増えてくるので、三つ折りを下、四つ折りを上と、二枚を使うようにする。
尿漏れを防ぐためには、男の子は前を厚く、女の子は後ろを厚くして当てる。
また、排泄後は速やかな交換が必要である。
最大の特徴は、おむつも、おむつカバーも、洗って再利用できる点にある。
また小便後、濡れたおむつは不快なので、これがおむつ離れを促進する働きもあると言われている。
難点としては、唯の布であるので、吸収しきれない時には漏れてきてしまうことである。また、排泄後は速やかに交換しないと、尿や便で肌荒れを起こしてしまう。
更に、おむつやおむつカバーは赤ちゃんにとっては比較的重量があるため、重く、歩きにくいという問題もある。
量販店で一般に市販されているのは、この使い捨ておむつである。俗に紙おむつと呼ばれるもので、使用後は燃えるゴミ等として廃棄する。
登場した当時は、名の通り本当に紙製だったが吸水性が悪く、後に吸水性ポリマーが実用化されてからはそちらに移行した。従って今では材質は紙ではないが、名前だけは「紙おむつ」として残ってしまった。
特徴は、布と比べ通気性や防水性が優れており、軽く、嵩張らないため布おむつと違って歩きやすいという点である。
難点は使い捨てであることで、廃棄物の問題が常に存在する。
また、尿を速やかに吸収するため排泄後の不快感が少ないため、これがおむつ離れを遅らせてしまうという指摘もある。
子供用は、乳児用から、比較的大きな子供の夜尿症対策用まで様々売られている。
最近では老人介護用として大人用のおむつも売られているが、子供用と比べると売られている店舗は限られるため、通販などが利用されることも多いようだ。
用途に合わせ様々な製品があるが、「おむつ」と呼ばれている製品は次のように分類できる。呼称は様々あるので、代表的なものを幾つか並べる。
パッドというのは軽い尿漏れに使うもので、女性の生理用ナプキンと同様のものから、パンツに取り付けて使うおむつカバー用風のものまでがある。
その素材は様々で、随時改良が続けられている。こうして様々な材質が使われていることから資源再生も困難なのが、難点とも言える。
尿を吸収し、一度吸収したら確実に取り込み後戻りさせないような素材が使われている。
最近では、次のような素材を組み合わせることが多いようだ。
うち、高分子吸水材は、主としてポリアクリル酸塩を原料としたもので、自重の50〜100倍の尿を吸収でき、押してもしみ出にくい性質を持っている。
おむつの外側を覆う防水シートである。これがおむつカバーと同様の役割を果たすことになる。
基本的には、尿が漏れないよう水分を通しにくい物質が使われるが、蒸れると不快なため、水分を通さず通気性のある材質が研究されている。
なお、移動しやすさを求めた薄型パンツタイプなどの場合、水分を軽々と通してしまったりもするので、注意は必要である。
高齢化によって老人用・介護用おむつが売れ行きを伸ばす中、少子化によって子供用、特に新生児向けの製品は売れ行きが年々縮小中である。この傾向は、今後も続くと考えられている。
その一方、近年では子供のおむつ離れは遅くなっているとされる。
報道によると、ユニ・チャームの調査では2003(平成15)年度では生後28〜29ヶ月程度でおむつ離れしていたが、2007(平成19)年度では生後32〜35ヶ月程度となった、としている。その理由は、使い捨ておむつの履き心地の向上が理由ではないか、とされている。
加えて、近年では小学生でもおねしょ対策とし、就寝中だけはく子が増えている。
これに対応するため、大手各社は大きなサイズの商品を販売する、開発競争となっている。例えば、次のような製品がある。
なお、体重25kgは7歳〜8歳の平均体重、体重35kgは10歳〜11歳の平均体重となる。
最近になっておねしょする子が増えたのか、昔から多かったが使い捨ておむつが便利なので使われるようになったのかは、定かではない。
製品で体重35kgまで対応するユニ・チャームによると「ムーニーマン スーパーBig」は小学3、4年生までを想定して作っている、としている。この製品は小学生向けなので色は白地に薄い色のデザインとし、一目ではおむつと分かりにくいよう配慮してあり、普段日中でも安心して利用できる、としている。
なお、これら見るからに子供用以外にも、アテントはじめ介護用おむつのSサイズなどは、ヒップサイズを鑑みるに実質小学生向けと考えられる。