外国に旅行する者の国籍や身分を証明し、旅行先相手国に対して便宜や保護を依頼するための文書。世界で通じる身分証明書。パスポート。
他国に入国する場合は、産まれたばかりの赤ん坊であっても、充分な残存期間のある旅券を所持しなければならない。必要な残存期間は国ごとに異なる(例:3ヶ月以上など)。
但し、国家元首の場合は旅券不要が国際慣習となっている。日本の場合、元首は天皇陛下および皇后陛下であり、両陛下におかれては旅券は不要である。
一般に旅券は手帳型となっていて、中には幾ページかの査証欄があり、ここに査証のスタンプ等を押してもらうことになる。
表紙の色やデザインは国により様々で国柄が出るところであるが、一般的には表紙に国章が描かれる。
国内では知事を通じて外務大臣、国外では領事官が発行するのが一般的である。
日本の旅券は表紙中央に大きく菊の紋章(日本国の国章)が付き、上半分に日本国旅券、下半分にJAPAN PASSPORTと書かれている。
どの国が発行した旅券かによって、その「力」は全く違う。パスポートの力は
どのような点で評価されるかというと、次のようなものが挙げられる。
偽造が困難であることは、重要なことである。チャチな造りで、誰でも偽造できるような旅券では所有者の身元証明にならず、受け入れ側の国としても扱いに困る。
現在、旅券には概ね次の三種類があると考えられる。番号が進むほど偽造困難となる。
現在、日本で発行されているのはIC旅券だが、それ以前は長く「機械読み取り式」旅券であった。
「機械読み取り式でない」旅券というのは、その名の通りだが、後進国などでは今でも現役で発行されている。
例えばフィリピンやインドなどは「機械読み取り式でない」旅券であり、写真もディジタル印刷ではなく貼り付けたものであり、のみならず手書きである。スペルミスはホワイトで訂正したりもする。これでは偽造や成りすましが容易なので、こういった旅券は力が弱い。こういった国では査証は免除されないどころか、査証自体なかなか発給されない。
後進国の旅券では、生年月日も年までしか書かれていない事がある。なぜなら「戸籍や住民票がない」ため、生年月日も不明な事が多いためである。
日本では身元を証明する戸籍や住民票が完備されているので、当然、生年月日もきちんと明記される。これも旅券の力の向上となる。
日本人は行儀が良い上に、よく買い物をしてくれる。またスパイ活動家も殆どいない。
海外にしてみれば、これほど都合の良いお客様の国もない。
こういった条件を満たす国は、対テロのため入国審査が厳しくなっている状況の中であっても、
例えばアメリカの場合、査証免除も国ごとに条件を付けている。日本は旅券の規格さえ満たせば、短期間の訪問なら査証は免除される。条件は次のとおり。
その一方、例えば北朝鮮のパスポートでは気軽に海外旅行は出来そうにないことは想像に難くない。査証免除も無いだろうし、入国審査も厳しいだろう。こういった状況は「旅券の力が弱い」というわけである。
旅券は偽造が横行していることから、ICチップを搭載した旅券が登場している。
日本では、2006(平成18)年3月20日申請受付分からIC旅券に切り替わった。
ICには、氏名、国籍、生年月日、パスポート番号の旅券面情報に加え、生体情報の画像データが記録されている。生体情報は顔写真を基本に、指紋や虹彩を加えることができる。
旅券の顔写真だけを張り替えても、ICの情報は偽造が難しいので、IC内の顔写真と比較すれば偽造・変造が容易に判断できる。
なお、この情報は重要な個人情報であるので、本人の気付かないうちに読み取られたりしないような対策もされている。
具体的には、IC旅券と読取機の通信距離は10cm以内でなければならず、また情報は暗号化されている。
日本国籍の場合、パスポートの顔写真と本人の顔が一致するだけで入国可能な国が多く、査証も短期旅行では不要な国が多いので日本のパスポートは世界最強と呼ばれる。
しかし日本の周辺国(南鮮、台湾、支那、インドなど)の旅券では、こうは行かない。周辺国では、短期旅行でも査証がなければ入国できないことが多い。これは旅券の力が弱いからである。
この差は、過去の日本人旅行者の行儀が良かったことの裏返しでもあるので、その恩恵に
このような状況のため、日本の旅券は一番高値で売れるので、盗難や強奪などの犯罪も多発したらしい。取り扱いには気を付けねばならない。
日本の場合、旅券申請には必要書類を持って外務省の該当の役所(県により名前が違う)へ出向くことになる。そして家に届いた葉書をもって、もう一度同じ場所へ行かねばならない(現住所確認のため)。
料金は、日本国内であれば10年間有効な旅券(20歳以上)なら16,000円、5年間有効な旅券(12歳以上)なら11,000円、同12歳未満なら約半額の6,000円である。海外の領事館では発行手数料が安い場合もある。
申請方法の細事については外務省のページが詳しいが、ここでは簡単に必要書類等を紹介する。
日本国内で旅券を新規発給してもらう場合は、次の書類が必要である。
場合により印鑑が必要な場合もある。また住民基本台帳ネットワーク(以下、住基ネット)を利用すると、住民票写しが不要である。
残存有効期間が1年未満となった時に、切替発給ができる。
ちなみに旅券は免許や資格と違って「更新」という制度がない。故に「切替発給」と呼ばれる。
従って、申請の都度、同じ書類を書いて、同じように審査され、旅券は発行される。そしてその都度、パスポート番号も全く新しいものに変わる。加えて、旅券の有効期限は旧旅券の残存期間に関わらず、新規の旅券が作成された日から5年または10年となる。
なお、一度旅券の発給を受けたことがある者は、それが有効、無効(期限切れ)いずれであっても、次回の発給申請の際に旧旅券を提出しなければならない。もし万一紛失した場合、大変な手続きが待っている。
記載事項に変更がない場合の切替発給には、次の書類が必要である。
場合により印鑑が必要な場合もある。また住基ネットを利用すると、住民票写しが不要である。
但し、本籍が変更になった場合や、本籍不詳の場合は、戸籍謄本または抄本の提出が必要である。なお、住基ネットでは本籍の確認ができないので注意。
残存有効期間が1年未満となった時で、かつ記載事項に若干の変更がある場合の切替発給で、最低限必要な書類は変更なしの場合と同じである。
加えて、変更した旨を証明するための書類が必要である。
例えば本籍が変更になった場合は、戸籍謄本または抄本の提出が必要である。