あかり

読み:あかり
外語:AKARI , ASTRO-F: Astronomy Satellite-F
品詞:固有名詞,@機械

第21号科学衛星。JAXAが宇宙科学研究所(ISAS))だった頃から開発していた国産赤外線天文衛星。衛星計画名ASTRO-F。別名、IRIS(Infrared Imaging Surveyor)。

2006(平成18)年2月22日06:28(21日@936)に内之浦宇宙空間観測所より、JAXA宇宙科学研究本部(ISAS)のΜ-Ⅴロケット8号機(Μ-Ⅴ-8)で打ち上げられた。

この衛星は日本初の本格的な赤外線天文衛星で、米英蘭が打ち上げ1980年代に活躍した世界初の赤外線天文衛星IRASと同様の全天サーベイ観測を、より広波長域で、かつより高い検出能力で実行しようとする計画である。

計画では100万個以上の天体のデータベースを作成する予定。

高度約700kmの太陽同期極軌道である。

重量(打ち上げ時、湿重量)
約952kg
寸法(打ち上げ時)
2026mm×1880mm×3675mm
最大発生電力
940W(打ち上げ後3年)
バッテリー
ニッケル水素蓄電池 22AH
姿勢制御
3軸姿勢制御
推進系
1液(3N×4、姿勢制御用)および2液(20N×4、軌道制御用)のデュアルモード(調圧式)
通信系
Sバンドでコマンド受信と低速テレメトリ送信、レンジング、Xバンドで高速テレメトリ送信(4Mbps)

装備

口径68.5cmの冷却型天体望遠鏡で、1.7μmの近赤外線から波長180μmの遠赤外線までをカバーする。

赤外線観測には装置自体の温度を下げることが重要であるので冷却型望遠鏡であり、極低温の液体ヘリウムを170L搭載して−267℃に冷却する。

液体ヘリウムでの冷却はX線天文衛星すざくでも行なわれたが、すざくは打ち上げ後1ヶ月でヘリウムを全て喪失するトラブルに見舞われた。すざくでは、機体内部を還流するよう作られていた事が原因であったが、あかりはヘリウムを宇宙空間に直接排気する機構にされたため、同じトラブルは起こらない。

打ち上げ成功後「あかり」と命名された。

「あかり」の名は、遠い暗黒中に認められる光、という所から付けられたとされ、また「未来を照らすあかり」となる事も期待されている。

事前の検討では名称案「あかつき」「ひとみ」などがあったが、他には赤外線だからと「こたつ」などがあった。

当初は、2004(平成16)年初頭にJAXA宇宙科学研究本部(ISAS)のΜ-Ⅴロケット6号機(Μ-Ⅴ-6)で打ち上げ予定だったが延期された。

衛星は2005(平成17)年12月24日に相模原キャンパスでの総合試験を完了し、完成となった。

その後衛星は鹿児島県肝属郡肝付町(旧内之浦町)のJAXA内之浦宇宙空間観測所に運ばれ、27日よりフライトオペレーションを開始、29日にクリーンルームで電源が投入された。

2006(平成18)年1月11日に衛星の報道公開、13日より冷凍機を使って冷却しての本格的なフライトオペレーションが始まった。

2006(平成18)年2月21日に打ち上げ予定だったが悪天候のため翌日に延期された。

2006(平成18)年2月22日に打ち上げられ、4月13日に望遠鏡の蓋を開けて観測機器への電源投入、機能・性能確認、望遠鏡の焦点調整、姿勢制御系の調整等が行なわれ、軌道上で期待通りの性能が発揮されていることが確認され、本観測が開始された。

観測成功は同年5月22日に発表され、試験観測で撮影された画像が公開された。

その画像の品質は大変優れており、従来宇宙の赤外線地図を提供してきた1983(昭和58)年の米・英・蘭の赤外線天文衛星IRASとは比較にならない高解像度、高感度の赤外線画像が提供可能であることを示した。