こと座方向に見られる恒星の一つ。アラビア語で「落下する鷲」を意味するとされている。こと座α星(α Lyr)、3番星(3 Lyr)。七夕の織姫で、和名は織女星(しょくじょぼし)。
- 座標(2000年分点)
- 赤経: 18h 36m 56.33635s (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
- 赤緯: +38°47′01.2802″ (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
- 銀経: 67.44820298° (SIMBAD)
- 銀緯: +19.23725245° (SIMBAD)
- 所属
- 距離
- 約25光年 (年周視差から計算)
- 赤方偏移: z=-0.000069±0.000001
- 光が届くまでの時間: 約-0.01億年 (z=-0.000069から計算)
- 実際の距離: 約-0.01億光年 (z=-0.000069から計算)
- 伴星: 1個?
- WDS J18369+3846B (PPM 81557)
- 規模
- 年齢: 4億5500万年
- 等級 (たて座δ型変光星)
- 紫外線等級(U): 0.03等
- 青色等級(B): 0.03等
- 黄色等級(V): 0.03等
- 赤色等級(R): 0.07等
- 赤外線等級(I): 0.10等
- J等級(J): -0.177±0.206等
- H等級(H): -0.029±0.146等
- K等級(K): 0.129±0.186等
- スペクトル分類: A0Va (A型主系列星)
- 視線速度(RV)=後退速度
- -20.60km/s(-17.8km/cBeat)±0.2km/s(0.2km/cBeat) (SIMBAD)
- みかけの後退速度: -20.69km/s(-17.9km/cBeat) (z=-0.000069から計算)
- 実際の後退速度: -20.69km/s(-17.9km/cBeat) (z=-0.000069から計算)
- HD 172167
- HIP 91262
- HR 7001
- BD+38 3238
- WDS J18369+3846A
- 2MASS J18365633+3847012
Vega(ベガ)は古くからの名である。
アラビア語で「落下(着陸)する鷲」を意味するとされている<ALEF><LAM><NOON><SEEN><REH> <ALEF><LAM><WAW><ALEF><QAF><AIN> (al-nasr al-w〓qi)がアラビア語としての星名で、これがラテン語訳されたVultur Cadensなど語源となり、Vegaに転じたとされている。
2016(平成28)年、IAU(国際天文学連合)で恒星の適切な固有名詞を標準化することになり、Vegaの名を承認している。
シリウス、カノープス、アルファ・ケンタウリ、アークトゥルスに次ぎ、全天で5番目に明るい恒星で、北天ではシリウスに次ぎ2番目に明るい星である。
観測により光度が僅かに変動しており、たて座δ型変光星と判明している。
約4億5500万年と非常に若いA型主系列星である。
質量から予想される寿命は80〜100億年とされるが、しかし一説ではベガの主系列星の寿命は10億年で現在は約半分とする説もある。
地球の歳差運動のため、12,000年前にはこの星が北極星だった。
ベガ周辺に塵のディスクが形成されていることがわかり、岩石惑星を含む惑星系が作られつつある状態であると考えられている。
惑星そのものはまだ観測されていないが、地球サイズ程度の小さな惑星が既に存在する可能性は否定できない。
ベガは同様の恒星と比べて明るすぎる点や、異常に吸収される波長の光があることが知られていたが、これはアメリカのストニー・ブルック大学のピーターソン博士により、ベガは高速で自転しているためであることが示された。このため、ベガはみかんのような潰れた形状をしている。
光学干渉計による観測では、ベガは明るい極を地球方向に向け、遠心力で壊れる限界の88%もの超高速で自転していることが確認された。
また極は赤道付近よりも2000K程度温度が高く、ここから、ベガの年齢は従来説よりも老いている可能性があることが示された。
UBVシステムにおいては、標準的な恒星として6つの指標星の一つとなっているが、この認識は誤りであることが判明した。
関連するリンク
* alf Lyr -- Variable Star of delta Sct type @ SIMBAD
用語の所属

こと座

1等星

夏の大三角
関連する用語

アルタイル

七夕