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肺がん
辞書:科学用語の基礎知識 医学・情報編 (BMEDI)
読み:はいがん
外語:Lung cancer
品詞:名詞

気管支から細気管支、肺胞領域までの組織に発生した悪性腫瘍のこと。

目次
疾病について
病態

症状に、次のようなものがある。

死因

肺がんでの死に方は、呼吸機能の低下に伴う「窒息死」である。

現在の日本では安楽死はできないので、徐々に肺が機能しなくなり、やがて窒息して死ぬまでの間、人工呼吸器の助けを得ながら、長期間にわたり延々と呼吸困難で苦しみ続けることになる。

病気としてのがんで一番苦しいのは肺がんであるとされ、呼吸できなくなるという死の恐怖と、息苦しさが交差する。

痛み

肺がんの場合、肺自体には痛覚神経がないため、病変が肺のみの場合は疼痛を感じることはない。

がんが進行し、胸膜や胸壁への浸潤や神経圧迫、骨移転などが起こった場合に初めて痛みが生じる。肺がんは、発見されたときには既にかなり進行しており、手遅れとなっていることが多い。

肺がんになる理由
病因

現在、肺がんの原因の多くは煙草であると確定されている。すなわち喫煙あるいは受動喫煙である。

喫煙本数の多い人ほどp53などの遺伝子突然変異が多く見られることからも明らかで、今さら議論の必要のないところである。

それ以外にも煙草ほど明解に判明しているわけではないが幾つかの原因が考えられており、大気汚染も原因の一つであるとされる。車からの排気ガス、ごみ焼却時の煙、冬期暖房による空気の汚染、料理により発生する煙など、大気汚染物質は程度の差こそあれ、危険因子である。

支那のように、微小粒子状物質(PM2.5)などの大気汚染が酷い場合は、実際にそれが理由で肺がんとなることが確認されている。

発がん機序

喫煙や石綿(アスベスト)吸引による中皮腫で肺がんが発生するが、その機序は岡山大学の中村栄三・地球物質科学研究センター長ら研究チームにより解明された。

煙草や石綿などの粉塵には鉄が含まれており、これが肺に入ると鉄を含む「フェリチン」という鉄貯蔵蛋白質が形成される。

肺のフェリチンは、空気中にある放射性物質ラジウムなどを集めて蓄積させる。研究では、6人の中皮腫患者のフェリチンから、バリウムカドミウムなどの重金属が検出され、更にラジウムは海水中の100万〜1000万倍に相当する高濃度が検出されたとする。

結果、高濃度のラジウムが出す放射線で強力な内部被曝が起き、肺組織の遺伝子を損傷させ、細胞をがん化させると結論づけられた。

岡部和倫(かずのり)・国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器外科医長は、「肺のラジウム蓄積量を調べる技術や、肺のフェリチンを溶かす薬剤を開発できれば、早期診断や治療に繋がる」としている。

治療・予防
禁煙

禁煙に勝る予防法はない。

但し実際に喫煙を初め、自覚症状が出る末期がんに至るまでには20〜30年程度という長い時間がかかる。

煙草を止めても、同程度の期間は肺がんになるリスクが存在する。

肺移植

今の肺が駄目ならば臓器移植をすればよいのではないか、とアメリカで一時は考えられたこともあったが、これはもはや行なわれていない。

臓器移植では、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を服用する必要がある。これにより免疫力が低下するため体内に残存したがん細胞の増殖を抑えることができなくなり、結果的に患者を短命にしてしまうからである。

日本でも、肺がんに対する肺移植は手術の適応となっていない。

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