液状の爆薬。三硝酸グリセリン、あるいは硝酸グリセロールともいう。
分子式C3H5N3O9。分子量227.09。融点13℃。発火点270℃。CAS番号55-63-0。常温では黄色の液体。味は甘くて美味しいらしい。
濃硫酸+濃硝酸(発煙硝酸)+グリセリンで作られる。イタリアの化学者であるAscanio Sobrero(アスカニオ・ソブレロ)によって1847(弘化4)年に合成された。僅かな衝撃で爆発する危険な薬品で、試験管に少しでも腕を吹き飛ばすには充分な威力である。一度に大量に作ろうとした場合の命の保証はできない。冗談でも素人が作ろうと考えてはいけない。
かつては木炭や黒色火薬などと混ぜて固形化した爆弾が作られていたが、ニトログリセリン単体よりはマシな程度の安全性しかなく、製造過程や運搬過程での爆発事故が多発していた。ニトログリセリンは威力が強すぎて逆に実用にならなかったが、後にノーベルによって珪藻土(けいそうど)と混合して固体化した状態であれば爆発せず安全に取り扱えることが発見され、"ダイナマイト" が誕生し、ようやくニトログリセリンは実用を見たのである。ノーベル自身も、ダイナマイト発明前には家族が経営していた工場の爆発事故で肉親を亡くしている。
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)のアルコール溶液で分解すると非爆発性となり、血管膨張剤、つまり血圧降下剤や狭心症の特効薬として便われている。