有機酸(カルボン酸)の一つで、炭素数3の飽和脂肪酸。飽和脂肪族モノカルボン酸。中程度の強酸。
乳酸の水酸基(OH)がHに置き換わっただけの物質で、非常に構造が似ているが、人間の嗅覚はこれをかなり違う臭いとして認識する。
- 組成式: C3H6O2
- 構造式: CH3CH2COOH
- 分子量: 74.1
- 比重: 0.99 (水=1)
- 融点: 竏21℃
- 沸点: 141℃
- CAS番号: 79-09-4
- ICSC番号: 0806
- 化学名: プロピオン酸はIUPAC名で、CASはプロパン酸(propanoic acid)と呼ぶ。
プロピオン酸

常温常圧では油状の無色の液体で、独特の刺激臭がある。
人間では、腸内細菌の腸内発酵によって酢酸やプロピオン酸が生成されている。これにより腸内のpHを下げることで、病原菌の増殖の抑制や、カルシウム吸収の促進などに働くことが知られる。
塩基、強酸化剤、アミンと反応し、火災や爆発を起こす危険がある。
多くの金属を侵し、水素を発生させる。
法規制など
危険性
- 引火点: 54℃(密閉式)、57℃(解放式)
- 発火点: 485℃
- 爆発限界: 2.1〜12 vol%(空気中)
有害性
- 刺激
- 腐食性: 眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: 水生生物に対して毒性がある
特定悪臭物質に認定されており、「刺激的な酸っぱいにおい」であるとされている。
香料や保存料として使用できる食品添加物でもあるが、独特の香気のためあまり使われていない。
工業面では、脂肪酸製造工場や染色工場などで大量発生する。
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属

カルボン酸

特定悪臭物質
関連する物質

乳酸
関連する用語

プロピル基

水酸基