アルコールの一種。有毒。メチルアルコール。
- 組成式: CH3OH
- 分子量: 32.0
- 比重: 0.79 (水=1) (ICSC)
- 融点: -98℃ (ICSC)
- 沸点: 65℃ (ICSC)
- CAS番号: 67-56-1
- ICSC番号: 0057
- 化学名: Methyl alcohol
- 外観: 無色の液体で、特徴的な臭気を有する
- 溶解性:
製法は、CO+2H2(触媒:ZnO、高温高圧)→CH3OH。
酸化するとホルムアルデヒドとなり、更に酸化すると蟻酸、最終的にH2OとCO2まで酸化される。
工業的には天然ガスや石油のほか、石炭などからも製造される。
大半がホルマリン製造に使われる。
日常的には、化学実験用の燃料(アルコールランプ用など)や、メタノールを燃料に走る車(メタノール車)の燃料などにも使われている。
メタノールは発火しやすく、しかも燃えても炎が見えない(非発光性の帯青色で、見えにくい)ので取り扱いに注意が必要である。
ただ、ライターオイル程の危険性はない。燃えても熱量が低いからである。法的には、低級アルコール類は、400リットル未満であれば危険物にはならない。
酒の成分のエタノールとは炭素が1個違うだけだが性質が全く違い、猛毒である。飲めば、良くて失明、最悪で死亡する。
エタノールと区別がつきにくいため、戦後しばらくの間、飲用酒に混ぜられていたことがあり、結果たくさんの人が失明した。そんな訳で、化学系では「目散るアルコール」などと呼んだりもする。
エタノールの場合、酸化されてできるのはアセトアルデヒドであるが、メタノールが酸化されるとホルムアルデヒドができる。このホルムアルデヒドが、網膜細胞の壊死を引き起こす。
より具体的には、ビタミンA活性型であるレチナールが本来結合すべき部位に、ホルムアルデヒドが結合する。アセトアルデヒドもアルデヒドの一種であり、同様の反応を起こしうるが、ホルムアルデヒドの方が小さい(立体障害が小さく、反応性が高い)ため、より毒性が高いのである。
また、ホルムアルデヒドはアシドーシス(血液の酸性化)なども引き起こすため、失明のみならず、場合によっては死に至ることもある。
この有機物は暗黒星雲などの中からも発見されている。
宇宙全体からみると、ごくありふれた有機物であるらしい。
適用法令
- 消防法(危険物の規制に関する政令)
- 消防法(危険物の規制に関する規則)
- 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令
危険性
- 引火点: 12℃(密閉式) (ICSC)
- 発火点: 464℃ (ICSC)
- 爆発限界: 5.5〜44vol%(空気中) (ICSC)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: 眼、皮膚、気道を刺激する
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード
用語の所属

アルコール

C1化合物

揮発性有機化合物
関連する用語

エタノール

暗黒星雲