分子式HF。弗酸。常温で無色の液体。融点−83.55℃、沸点19.51℃。CAS番号7664-39-3。
毒物指定。危険物。他のハロゲン化水素と異なり水溶液は弱酸性を示す一方、純粋な弗化水素の液体は超酸の一種であり、特殊な反応に利用できる。ガラスを溶かしてヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を作るため、ポリエチレンの容器に入れる。HFaqが弱酸性なのはHFが水素結合を持つからである。
水溶液が人体に付着すると、体内に浸透して骨組織を侵す。この時、のたうち回る程の激痛に見舞われる。骨のCaと反応してCaF2(蛍石)になるまで皮膚を侵蝕し組織を破壊する。また血液中のカルシウムイオンも同様に螢石にし、これらが筋肉組織や臓器を破壊、やがて心筋が機能しなくなって心不全で死亡するか、さもなくば低カルシウム血症を起こして死亡する。
治療は殆ど不可能なので、患部の切断によって対応することになろう。しかし体表には何の影響も与えないため付着に気づきにくく、取り扱いには細心の注意を要する。実際に、ゴム手袋にピンホールが開いているなどして弗酸が手に付いたのに気づかずに大変な事になる、という事故がたまに発生する。
処分方法は幾つか考えられるが、消石灰(水酸化カルシウム)で中和して蛍石にするのが一般的である。