利尿効果を弱めるホルモン。バソプレシン。
抗利尿ホルモン
医薬品としてよく使われるのは、デスモプレシンの酢酸塩である。
デスモプレシン酢酸塩
9つのアミノ酸からなるペプチドである。
睡眠中に脳下垂体の後葉から分泌される。
このホルモンは腎臓内のネフロンの一端である集合管に作用し、ここでの尿の濃縮を調整して作られる尿量を減らす。年齢性別を問わず、生涯必要なホルモンである。
また、バソプレシンの異名があり、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる作用も持っている。
赤ん坊では殆ど分泌されないため、結果として睡眠中も尿が大量に作られておねしょをすることになるが、ある程度成長するとホルモンが働くようになり、おねしょをしなくなる。
遺伝病でこのホルモンが先天的に欠乏していると中枢性尿崩症という病気となる。またホルモンが正常でも、何らかの理由で尿細管機能に作用しない場合は腎性尿崩症となる。
これら尿崩症では尿濃縮力に障礙があり、もって身体に必要な水分まで尿として排出してしまうため、口渇や多飲、多尿を来す事になる。
腎機能が障礙されたり、あるいは高齢者では、抗利尿ホルモンの量は正常であっても腎臓での濃縮力が弱まるため、睡眠中に生成される尿量が減少しない。