末期の恒星の中心核が潰れる現象。超新星爆発の引き金となる。
この鉄が増えてくると恒星はエネルギーを生み出せなくなり、中心部の核エネルギー源が減る。こうなると中心核は重力に抗しきれなくなり、星は中心に向かって収縮を始める。
収縮すると温度が上がるが、もし中心核が鉄でなければ核融合反応が強まり収縮する力に対抗するエネルギーを発生できるものの、あいにく中心部は鉄。核融合が起こらない。
こうして6×109K程度になると、その中に存在する黒体放射の光子のエネルギーが数MeVに達するが、これは核子を原子核に結合させているエネルギーの程度である。原子核に数MeVの光子が当たると、核子やα粒子が原子核からはじき出されてしまう。これを原子核の光分解という。
鉄の光分解は56Fe→13 4He+4n−124MeVであり、124MeVのエネルギーを吸収する。これは恒星がヘリウム燃焼段階から鉄合成までに解放したエネルギーと同程度である。
この吸熱反応によって中心核の温度は下がろうとするが、同時に圧力も下がるので中心核は自分自身の重力を支えきれなくなって収縮し、その圧力効果でかえって温度が上がることになる。温度が上がれば黒体放射エネルギーも光子数も増えるので、ますます光分解が促進される。こうなると、もう誰にも星の崩壊を止めることはできない。このような急激な収縮が重力崩壊である。