エチルアルコール。分子式C2H5OH。構造式CH3CH2OH。分子量46.06。CAS番号64-17-5。融点−114℃、沸点78℃。引火点12℃。グルコースを醱酵するとエタノールと二酸化炭素が発生。
いわゆる酒の主成分である。飲用すると中枢抑制作用によって、極めて強い精神作用が見られる。
エタノールは消化管から容易に吸収され、門脈を経由して肝臓に運ばれて分解される。肝臓内ではアルコール脱水素酵素(ADH)でアセトアルデヒドに分解される。更にミトコンドリア内にあるアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により分解されて酢酸になる。この酢酸はやがて水と二酸化炭素に分解され、水は腎臓から、二酸化炭素は肺から排出される。
しかし肝臓の処理に比べてミトコンドリアの処理は非常に遅いために、飲酒量がアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の能力を超えてしまうと分解が間に合わず、体内にアセトアルデヒドが蓄積し、頭痛、目眩い、吐き気などの、いわゆる二日酔いと呼ばれる症状が出てくる。
エタノールの代謝速度は体重1kgあたり1時間に0.1gである(つまり体重が60kgの場合は6g)。これ以上のペースで飲むと血中アルコール濃度が急激に上昇し、急性アルコール中毒となる。最悪の場合、死亡する。
一般的な酒は全量の数パーセント程度、焼酎やウォッカで数十パーセント程度だが、化学用としては70%(v/v)エタノールが消毒用として使われ、日本薬局方エタノールとして入手できる。また、エタノールを蒸留後、さらに芳香族化合物やMgなどを使って脱水し99.5%以上にしたものを無水エタノールといい、試薬や工業用エタノールとして基板洗浄などに使われている。
工業的にはエチレンから合成する合成法と、酒と同様に糖類を醱酵して作る醱酵法とがある。昔は脱水剤にベンゼンが使われたが今は使用されておらず、合成法でn-ペンタンを脱水剤に使うメーカーと、醱酵法でシクロヘキサンを脱水剤に使うメーカーとがある。