蔗糖(sucrose)を主成分とする代表的な甘味料。
蔗糖は、1分子の果糖のケトン基と1分子の葡萄糖のアルデヒド基が脱水縮合した物質で、二糖類の一つである。
- 分子式: C12H22O11
- 分子量: 342.30
- 比重: (該当資料なし)
- 融点: (該当資料なし)
- 沸点: (該当資料なし)
- CAS番号: 57-50-1
- ICSC番号: 1507
蔗糖
砂糖黍や甜菜(砂糖大根)などから作られる。
古くから使われてきた糖で、丸く雑味のない優れた甘味がある素晴らしい甘味料である。だがカロリーが高く(4kcal/g)、血糖値を上げ、虫歯の原因にもなるなどの理由で砂糖離れが進んでいる。
また、加工食品ではコストの問題でも砂糖離れが進んでいる。元々はキューバが世界最大の砂糖生産地であったが、社会主義革命で砂糖が入手しづらくなり、異性化糖などに移行することになった。ちなみに、異性化糖も4kcal/gである。
缶コーヒーの甘味料は今も砂糖が主だが、清涼飲料水などでは異性化糖(果糖葡萄糖液糖など)や糖アルコールなどに取って代わられている。このうち、異性化糖はコストが安いことから使われているが、砂糖の生産量が多い国では砂糖が安価であるため、清涼飲料水にも砂糖が使われていることが多いようである。
様々な砂糖が使われている。
砂糖(蔗糖)などは糖質の分子構造が小さいために吸収が早く、血糖値を急激に上昇させてしまう。こういった分子の小さい糖類を単純糖質と言い、その逆は澱粉などの複合糖質である。
血糖値上昇の反応として血糖値を下げるインシュリンが分泌され、逆に血糖値が下がる現象(ハンガーノック)を引き起こしてしまう。
砂糖の過剰摂取は糖尿病などの原因となる。
但し、糖は脳の最も重要なエネルギー源であり、また動物のエネルギーの出発物質で生命には欠かせない存在である。
葡萄糖や炭水化物(でんぷん)などを摂っていれば砂糖を取る必要はないが、葡萄糖そのものはおいしくない。
いずれにせよ、糖分の摂り過ぎは良くないが、摂らな過ぎも問題である。
カロリーが問題にされることが多いが、食品の安定性、粘性、保存性、保水性向上、澱粉の老化防止等、甘味以外の効果も役立てられている。
関連するリンク
ICSC 国際化学物質安全性カード用語の所属
糖
二糖類
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