旨味成分であるアミノ酸類や核酸類を、精製によって単離した調味料、あるいはその単離した調味料を混合した調味料のこと。具体的な商品には、味の素を筆頭に様々ある。
食品に含まれる旨味は、アミノ酸や核酸といった特定の物質であることから、これを補えば料理の旨味が増す。極めて単純明快である。
現在の加工食品は化学調味料なしにはありえないが、化学調味料の味付けは風味がない分、旨味に偏重してしまうのが最大の欠点といえる。
このため、使いすぎると料理の味が画一化されてしまうのが弱点である。
現在主流の化学調味料は、特にこれといった害はない。つまり無害である。
しかし一部から宗教的に嫌われ、ありもしない危険性がひたすら喧伝され続けているのも特徴である。
例えば味の素の原料であるグルタミン酸は、同じ物が天然昆布にも入っており、昆布の旨味の主要成分である。しかし昆布は危険な食品ではない。
そもそも、アミノ酸(蛋白質の構成成分)は生物が生きる上で必要な栄養素であり、毎日一定量を摂取せねばならないものである。
世界で初めて誕生した化学調味料は「味の素」である。1909(明治42)年、鈴木製薬所が逗子の工場で製造を始めた。
原料は、当初は小麦グルテン、後に大豆粕が使われた。
当初は今市販されている粉末だしと同様に黄色い粉末であった。純白の結晶を作るための研究が重ねられ、現在では砂糖黍の糖蜜などを原料に、菌によってグルタミン酸をつくる醱酵法が採用されている。
昨今では無化調(化学調味料無添加)を掲げる食品もよく見られる。しかし無化調/無添加だから自然食品、安全、などと考えたら大間違いである。
その原料には、蛋白加水分解物、酵母エキスなどと書かれているが、これらの原料は実は化学調味料と殆ど変わらないどころか、製法もほぼ同じである。
食用油を絞った後に出る大豆粕や、食用にならない食肉や動物関節、ビール工場から出る使用済みの酵母(タンクの底に沈んだビールの澱)など、元々は産業廃棄物だった食品の残滓に含まれる蛋白質に、酸や酵素などを加え人為的にアミノ酸を作り出した調味料である。
精製をしていないため化学調味料と呼ばれないだけで、精製一歩手前のこの物質は化学調味料と言っても何ら差し支えのない物質である。
精製さえすればいわゆる化学調味料なので、安全性に問題はない。しかし精製していないこの代替調味料は不純物が多い分、高純度の化学調味料より危険である可能性もある。いわゆる化学調味料は安全だが、蛋白加水分解物などが安全かどうかは定かではない。
無化調が持てはやされる日本では、アミノ酸飲料が一時期大流行を遂げた。
一言でアミノ酸といっても100種類以上あるのでピンキリだが、大抵のものには味の素でお馴染みのグルタミン酸がタップリ入っているわけである。無化調とアミノ酸飲料を同時に流行させてしまうのが日本の消費者の特徴である。
そもそも、自分の舌で食材の善し悪しが判断できるなら、最初から無化調かどうかといった単純な情報に従う訳はない。ということは、こういった無添加と書かれていながら蛋白加水分解物やら酵母エキスやらがタップリのインチキ商品は、企業の戦略にまんまと引っかかった、添加物アレルギーで味の判らない味覚音痴のための贅沢食材と言えるのかも知れない。