スミス対スミス事件

読み:スミスたいスミスじけん
品詞:固有名詞

第二次世界大戦中にアメリカ合衆国で発生した、上官の海兵中将が部下の陸軍少将を更迭したことによって起きた事件。米陸軍が海兵隊を如何に見下していたかを物語る事件である。

目次

アメリカ軍によるサイパン上陸戦の最中、上陸軍の最高指揮官だったホーランド・M・スミス海兵中将は陸軍第27歩兵師団長のラルフ・スミス陸軍少将を戦意不足であるとして更迭した。

ホーランド・M・スミス海兵中将は指揮権を有している上官であり、なんの問題も無いことであるのだが、これを知った太平洋方面陸軍司令官リチャードソン中将は激怒し、現場まで駆けつけてホーランド・M・スミス海兵中将を「君や君らの指揮官達は、陸軍将官のように大部隊を指揮する訓練を受けていないし、その能力もない。にも関わらず、俺の部下を動かすとは何ごとだ。君ら海兵隊は波打ち際を走るだけの群れではないか。陸上での戦いを知っているのか」と面罵した。

この事件はタイム・ラルフ社のロバート・シェロッド記者により、ライフ、タイム両誌に大きく取り上げられたことで一躍大問題となった。

世論はホーランド・M・スミスに冷淡であった上に、本来彼を庇うべき上官のニミッツ太平洋艦隊司令長官は以前より彼の人との角付き合いの多いところを嫌っていたため、彼を庇おうとしないばかりか、太平洋艦隊海兵隊集団指揮官に左遷してしまっている。

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