ハードコアSF

読み:ハードコアエスエフ
品詞:名詞

SFの中で、ファンタジー系や冒険小説系などに対してより科学性の強い作品を呼称する呼び方。"ハードSF" とも言う。SFが普及するに従って扱う範囲が広範になったため、"これは本来のSFとは違う" といった意見から生まれた言葉。

しかし実際には2通りの解釈があり、1つは「難解または高尚な理工学的な知識を必要とする(ハードな)科学技術や考え方を扱う作品」を指す場合、もう1つは「1940〜60年代のSF黄金時代のテーマとスタイルに似た作品」である。この言葉が出始めた当初は前者の扱いであることが多かったが、ハードコアSFという言葉自体が広く浸透することで後者のような広義の扱いも多くなった。後者の意味合いでは本格SF(の一部)とほとんど同義とも言える。そのため様々な論議を生んだが、その課程において前者の立場を取る人の中でも複数の解釈や意見が生まれることになった。

代表的な作品に、ロバート・L・フォワードの "竜の卵" や、アーサー・C・クラークの "幼年期の終わり" などがある。

コラム (ハードコアSFの定義1)
石原藤夫氏(ハードコアSF作家でありハードSF研究所の主催者)の意見では
「真のハードSFとは, 小説の "問題意識", "舞台設定", "展開", "解決"
の全てにおいて, 理工学的な知識に基づいた科学的ないしは空想科学的な
認識や手法を生かしたものである. 特にストーリーの展開と解決とが科学
的論理または手法をもつ空想科学的論理によっていなければならない」と
される.
コラム (ハードコアSFの定義2)
小松左京氏(多数の著作を持つ著名なSF作家. 映画化作品多数)の意見では
「科学の理論的追求が, そのフロンティアにおいて遭遇している "問題"
について, 文学的な "処理" を行なうもの」とされる.
関連する用語
SF (1)

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