訓読

読み:くんどく
品詞:名詞

日本の仏教において、漢字かな混じりで書かれた経のこと。

目次

翻訳と言えないこともないが、翻訳というよりは漢文を日本人が読み下せるように送りがなを付けただけのものと言ったほうが近い。

対して、支那から伝わった、漢文だけで書かれた経は真読という。

例文

例えば妙法蓮華経方便品第二の先頭を例に上げると、「爾時世尊。従三昧。安詳而起。告舎利弗。諸佛智慧。甚深無量。」とあるのが真読である。

これを「爾の時に世尊。三昧より安詳として起つて。舎利弗に告げたまはく。諸佛の智慧は。甚深無量なり。」としたのが訓読である。

なお、句読点については訳者の意向により、より日本語風とすることもある。

とらえ方

お経は、原文に近ければ近いほど良い、という考え方もある。

さて、梵語から中文(支那語)となり、さらに訓読(日本語)へと翻訳されて、その経本は正確なのか(あるいは意味があるものなのか)という疑問は当然出てくると思われるが、それが大乗仏教の一つの特徴で、問題がない。

大乗仏教では守るべきは釈迦の教えの一字一句ではなくその精神であるためで、何語で書かれていようとも、教えの趣旨さえ変わっていなければ問題はないのである。

但し、日本においては、経としての有り難みという点については訓読より真読の方が上とされる。

用語の所属
仏教
関連する用語
真読

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