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重力ターン方式

辞書:科学用語の基礎知識 天文学人工衛星編 (USATE)
読み:じゅうりょくターンほうしき
品詞:名詞
2003/08/07 作成
2013/02/16 更新

人工衛星の打ち上げ方法の一つ。世界で唯一、日本のみが実行したが、成功後は二度と使われることがなくなった。

ロケットは、単に真っ直ぐ打ち上げれば良いというものではない。そのままでは衛星を軌道投入できない。

ロケットというものは、何らかの方法で機体を制御して「地表に対して水平」に向きを変えなくては、地球を周回する軌道に衛星を投入できないのである。

そのための方式の一つが、重力ターン方式である。

手法

「重力ターン」などと、もっともらしい名前が付けられてはいるが、実際はエンジンを停止して推力を落とし、地球に自由落下させて方向を変えるだけの簡単な方式である。

打ち上げられた状態では、地表に対して飛行した角度を向いているため、これを何らかの方法で回転させ、地表に対して平行にする必要がある。

例えば、打ち上げロケットが推力を失うと、やがて地球の重力で落ち始める。その直前は地球表面との速度が0になり、さらにロケットは地表に対して水平となる。この時ロケットを点火すると、ロケットは地面と平行に飛行を始め、これにより人工衛星を円軌道に乗せることが出来るのである。

由来と終焉

日本初の人工衛星おおすみは、政治的事情から誘導制御装置がロケットに搭載できなかったため、この方式によって打ち上げられた。

しかし無事に成功し、妨害勢力が妨害する理由を失ったため、次からは誘導制御装置を搭載したロケット開発が可能となった。

関連する用語
おおすみ
ラムダロケット

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