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円の中心角に対する弦のこと。現在使われている正弦(sin)の元となった概念であり、その起源は紀元前の、古代アリストテレス的宇宙観にまで遡る。
まず地球は球形であり、地球の中心が宇宙の中心であるとする。そして全天の恒星は地球を中心に円運動をしている。これが天動説の基本である。
そして、この星同士の距離を測るための三角測量(三角法)はギリシャで考案され、こうした天文学の成果としてヒッパルコスにより正弦表が作られた。この表はプトレマイオス(トレミー)によって著されたアルマゲストにも収載されている。
この正弦、具体的には、まず半径1の円を考え、円弧上に点Aと点Bを置くとする。OA=1で、θは中心角である。このとき、ABが正弦ということである。
ABは中心角θに対する弦であり、AB=chord(θ)と書くことができる。任意の円の中心角θに対する弦ABの長さは、半径をRとするとAB=R×chord(θ)である。
この正弦表はその後インドへ伝わり、ここで直角三角形として扱ったほうが便利だとして半弦で考えられるようになった。
そして天文学者アールヤバタにより6世紀頃に著された書物では、弦ABとその弧で作られる図形を弓と見做し、矢であるOCを引っ張った時に弦ABを切る半弦AHを、弓の弦からdiyaと呼んだのである。
この書物はやがてアラビアへと伝えられ、diyaはアラビア語のjaib(入り江)に変化した。
これがラテン語に翻訳された時も入り江を意味するsinusとなり、そしてヨーロッパに伝わる頃には現在の記号sineとなっていた。
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