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オランダのPhilipsが考案/規格化した音楽用磁気テープ。一般に「カセットテープ」と呼ばれている。
アナログ音声記録における録再両用媒体の中では最も一般的なものである。
民生用規格では、その後ディジタルのミニディスク(MD)やDCCなどに市場を奪われることになるが、普及台数の多さ、安価、長時間対応など利便性も高いため、現在でも根強く使われている。
パーソナルコンピューターで、8ビットマイクロプロセッサーが主流の時代にはデータやプログラムの記録用媒体としても使用されていた。これはCMT(カセット式磁気テープ)と呼ばれていた。
寸法は、100mm×63mm×8mm(突起部含まず)・102mm×63mm×12mm(突起部含む)。
現在ではIECによって標準化がなされている。使用する磁性体の種類により、TYPE Ⅰ/Ⅱ/Ⅳの3種類が主に使われた。
| 種類 | 名称 | 磁性体 | 検出孔の位置(濃い部分) |
|---|---|---|---|
| TYPE Ⅰ | ノーマルポジション | γ‐酸化鉄(Fe2O3) | |
| TYPE Ⅱ | ハイポジション | CrO2 | |
| TYPE Ⅲ | フェリクロームポジション | Fe-Cr | |
| TYPE Ⅳ | メタルポジション | Fe(Metal) |
TYPE Ⅰ/Ⅱ/Ⅳはカセット底の穴(検出孔)によって機械的に区別する事ができるが、この規格が決まる以前の古いテープ(TYPE Ⅲを含む)には特殊な検出孔がない。この時代のものはデッキのスイッチを切り替える必要がある。
メタルテープは、メタルテープの磁気特性に合わせて録音時のバイアス調整(若しくは切り替え)が出来ないデッキ以外は正常に録音できない。
かつてはTYPE Ⅲという、CrO2(TYPE Ⅱ)の高音特性とFe(TYPE Ⅰ)の低音特性を併せ持たせるためTYPE Ⅰを塗布した上にTYPE Ⅱを塗布するという二重塗布を行なったものも存在したが、普及はせず、メタルの登場により今ではその任務を終え自然消滅した。
開発当時、カセットテープはPhilipsの「コンパクトカセット」の他に、ドイツのグルンディッヒ社が「DCインターナショナル」と呼ばれる規格を普及させようとしていた。
どちらも優れた規格だったが、日本の企業の多くがPhilipsを選択した。しかし、契約の段になってPhilipsは日本企業に対し1個25円という暴利なロイヤルティを要求してきた。もちろん契約しようとする企業はなく、数日経ってPhilipsは1個6円という額を提示した。ここで多くの企業は契約する。
しかし、ソニーだけは頑として首を縦に振らない。無料にしなければグルンディッヒと契約すると主張、これにPhilipsは折れ、ソニーだけは無料で契約することになる。しかし一社だけ無料というのは問題も多く、1965(昭和40)年にPhilipsは仕様を勝手に変えないことを条件に、他社に基本特許の無償公開に踏み切った。
こうして、Philipsのコンパクトカセットは一気に世界中に普及したのである。
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