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器物を損壊等することで成立する罪。刑法では「器物損壊等の罪」と言う。
刑法では、第四十章に「器物損壊等の罪」がある。
器物損壊等は、刑法の第261条で定義されている。
(器物損壊等)
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(差し押さえ品などを除いた)自分のものを自分で壊すのは勝手だが、他人のものを壊したら、それは罪である。
「器物」を「損壊」するを普通に考えれば、器物に対して物理的な力を加え、元の形には戻すことができない、不可逆的な抗力を加えたりすることをいう。
物理的な破壊については異論を挟む余地はなく、もともと法律はそれを想定していた。
しかし日本の司法は、明治の頃より、この法律を拡大解釈している。
常識的に考えてありえない「器物損壊」は、大正、昭和、平成にいたってもなお判例として残り、しかも法律家は誰も異論を唱えないという摩訶不思議な状況である。その代表は「おしっこ皿」と「池の鯉」である。
明治期の大審院で既に、「器物損壊」は拡大解釈されていた。
料理店の食器に放尿するような事件があったらしく判例(大判明治42年4月16日)が残っており、「食器に放尿する行為」は「食器を食器として使用することを難しくした」ことから器物損壊罪が認められている。
尿が付いた食器でも、綺麗に洗い消毒すれば再利用は可能だが、しかし気持ちが悪いため誰も使いたがらないので、器物損壊罪が適用されたのである。
池の鯉など生け簀から魚を逃がすような行為も、器物の損壊であるとされている(大判明治44年2月27日)。
結果として、鳥かごから鳥を逃がすような行為も同罪となる。
法律家で、これらありえない器物損壊の定義に異論を唱えるものは皆無である。
法律の拡大解釈が望ましくないことは明らかであり、この場合は器物汚損罪、あるいは(動植物)逸失罪、など新たな罪を作るべきであった。
同様の問題は、業務上過失致死などにもあるが、改善の様子は無い。
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